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金星の謎とヴェリコフスキー宇宙論

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 明けの明星、宵の明星と言われ夜空でもひと際輝く金星。しかし、こんなにはっきり見える金星を紀元前2000年以前の人類は不思議と記録していません。バビロニア然り、古代インド然り…。

 水星、火星、木星土星はあるのに!そして紀元前2000年ごろを境にして突如登場する金星。いまでは愛の女神ビーナスとして知られるこの星は、当時荒れ狂う戦の神と目されていました。

 ギリシャ神話ではゼウス(ジュピター=木星)の額を割って誕生したパラス・アテナ(金星。モビルスーツじゃないよ念のため・笑)は甲冑をまとった戦の女神でした。


 ではなぜ戦の神が愛の女神に変わったのでしょうか?そしてなぜ金星は突如記録にあらわれるようになったのでしょうか?


 この謎に対し、神話は何らかの真実を語ったのではないか?という仮説をたて壮大な宇宙論を完成させた学者がいます。しかし彼は学会から受け入れられず異端の学者として葬り去られました。

 彼の名は、エマニエル・ヴェリコフスキー。ポーランド国境近いロシアでユダヤ人として生まれた彼は、1950年「衝突する宇宙」という彼の壮大な宇宙論をまとめた衝撃作を発表しました。


 しかし彼が精神分析学者で天文学者でなかったこと、神話を元にアプローチするという姿勢に反発した学会から猛攻撃をうけます。
 

 ところが一般の反応はこれとは正反対、全米でベストセラーになるくらい話題になります。読んでみると確かに面白い。私も中学校の図書館にあったこの本を当時夢中になって読んだものです。


 いまではいくつか科学的におかしい部分もあるんですが、その概略をご紹介しましょう。



 まず、なぜ古代の記録に金星がなかったのか?→宇宙に存在してなかったから。

 次に、突如金星が紀元前2000頃現れたのか?→そのとき誕生したから。

 ヴェリコフスキーは、ギリシャ神話の記述から金星(パラス・アテナ)は木星(ゼウス=ジュピター)から生まれたのではないか?と推理しました。

 荒らぶる神なのは、誕生して間もないから。最初は彗星として。

 ではどこから?→木星の大赤斑から。そしてそれは実は太陽系最大の超巨大火山だった。

 ヴェリコフスキーは木星を従来言われているガスの天体ではなく、他の惑星と同じように分厚いガスに覆われているが固い地表を持つ天体であると考えました。その大噴火で発生したガスは、木星を飛び出し太陽系を楕円軌道で回る彗星になったと想定します。

 そして何周もするうちに、宇宙空間のチリを巻き込み次第に太陽の重力に引き込まれ今の金星になったと考えました。


 金星は実は不思議な惑星なのです。赤道傾斜角178°、つまり自転軸が完全に逆立ちし見掛け上完全に逆回転しているように見えます。分厚いガスの大気に覆われ地表表面温度は400°以上となる灼熱の星です。定説では太陽系の他の惑星と同時にできたはずなのに、(金星の年齢が極めて「若い」ので)熱平衡に達しておらずいまだに大気が安定していないそうです。

 それは金星が、他の惑星よりも遅く誕生したからじゃないでしょうか?素人考えでもそう思います。

 また金星の神パラス・アテナは二つの角の兜をかぶっていたとされますが、実は彗星は尾が二つあるんです。一つは太陽風によって形成されるもので太陽に向かって反対側。そしてもう一つは太陽の磁場で形成されるコイル状のもの。

 古代人はこれを角が二つあるように見えたのかもしれません。不思議な事にバビロニア神話でも金星の神アスタロテは二本の角があるとされます。古代エジプト人も金星を雄牛の像として崇めました。

 このときの金星は巨大彗星メノラーと呼ばれました。(詳しくは飛鳥昭雄著「火星の謎と巨大彗星メノラー」参照)


 巨大彗星は楕円軌道を繰り返すうちに太陽系に大激変をもたらします。当ブログでかって紹介したアステロイドベルトにあったとされるフェイトンを破壊したのも、火星に急接近して巨大な流星雨をふらせ表面を赤茶げた色にしたのも、そして地球に数々の天変地異を巻き起こしたのもメノラー=金星の仕業だったのではないかとヴェリコフスキーは推理しました。

 特に火星とは衝突しそうな勢いで接近したそうです。そのために軌道が大きく狂い今の金星の軌道に落ち着いたそうです。火星もこのとき大災厄に見舞われ大きな変動を経験します。


 じつはこのことも各地の神話に残されているのです。古代メキシコの神話では金星の神ケツァルクワトルと火星の神フイチロポヒトリが戦争してはげしく争ったというものがあります。また古代ギリシャの賢人エラトステネスも「金星は火星を追って捉えると、すさまじい情熱で火を放った」という内容の記録を残しています。


 どうですか?面白いでしょ?私は素人なのでどこまでが真実でどこまでが間違いか判断できません。しかしとても興味深いものがあります。


 皆さんも「衝突する宇宙」一読されませんか?お勧めですよ。