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ジェネラル・ダイナミックスF-111 アードバーク

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F-111 アードバーク(F-111 Aardvark)はゼネラル・ダイナミクスが開発した攻撃機。または戦闘爆撃機に分類される。初飛行は1964年で、世界初の実用可変翼機として知られる。現在では多くが退役し、運用している国はオーストラリアのみとなっている。なお、センチュリーシリーズに数えられることもある。

愛称はアードバーク(ツチブタ)だが、これはアメリカ空軍での退役直前までは非公式のものだった。

                      - フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より -

【諸元】
全長 22.40 m
全幅 19.20 m(後退角16度)
9.74 m(後退角72.5度)
全高 5.22 m
翼面積 48.77 m²(後退角16度)
61.07 m²(後退角72.5度)
重量 (F-111F)
空虚 21,410kg
最大離陸 45,360kg
動力 (F-111F)
エンジン P&W製 TF-30-P-100×2
A/B付きターボファン
推力(A/B) 111.57 kN
11,385 kgf ×2
【性能】(目安)
最大速度 Mach 2.5 @A/Bオン
航続距離 約4,700km
最大運用高度 17,830m
【アヴィオニクス】 (F-111F初期型)
ヴィオニクス Mk IIF(非公式名称)
AN/APQ-144 航法攻撃レーダーシステム
AN/APQ-146 地形追従レーダー
武装
固定武装 必要に応じてM61A1バルカン×1(2,084発)
爆弾 核兵器を含めた各種爆弾
ミサイル AIM-9サイドワインダー 他
その他

 長距離攻撃可能な戦闘攻撃機を欲した空軍と、広範囲をカバーする艦隊防空用の戦闘機を欲した海軍を例によってマクナマラ国防長官(当時)がコスト削減のため計画の統合を命じたことから開発は難航しました。

 海軍と空軍の要求をいれていくうちに機体はどんどん重くなり、ついに海軍が計画から脱退します。最大離陸重量45トンになったら空母での運用は不可能でしょう。しかし、この経験が生かされてF-14トムキャットが誕生したんだから良しとしましょう。

 紆余曲折の末完成したF-111でしたが、その真価を発揮したのは1986年でした。リビアがテロ支援を止めないことに苛立ったアメリカは実力行使によってリビアの行動を押さえようとします。
 空爆を決意したアメリカですが、フランスが領空通過を拒否したため、イギリスの空軍基地を発進した爆撃部隊は大西洋・ジブラルタル回りの迂回路をとり往復1万キロ以上の飛行経路をとることになります。

 そんな芸当ができるのはF-111だけでした。途中空中給油機を使い、リビア近海で海軍機と合流したF-111爆撃隊18機は15分間の間に、レーザー誘導爆弾を含む300発近い爆弾を投下します。ミサイルも48発が発射されました。
 その中にはカダフィ大佐爆殺も任務に入っており、カダフィの住む宮殿を爆撃により破壊しますが、偶然カダフィがいなかったためこれは失敗します。

 この爆撃では、F-111も対空砲火で1機が失われますが、1万キロ以上の長距離空爆作戦はこの機体なくしては成功しなかったでしょう。

 1991年の湾岸戦争でも、レーザー誘導爆弾の6割はF-111から投下されています。空軍関係者の中には退役の決まっていたF-111を先延ばしして使用すべきとの意見もでましたが、F-15Eストライクイーグルがあることと、F-16の3倍というコストパフォーマンスの悪さからそれは採用されませんでした。

 一時は失敗作とまで言われた当機ですが、長距離戦闘攻撃機として見れば成功作であったと言えるでしょう。