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ソ連、ロシアの主力戦車生産数

 例によって軍事に興味のない方はスルーお願いします。

 前記事で冷戦期ソ連戦車師団を50個(52個という資料も?)も保有していたが、そのすべてが当時最新型のT-80であるはずがないと考察しました。そこで調べてみたんですが、T-80以外の師団はT-64を装備していたという考えも間違っていたようです。

 ちなみに、表の見方は左側がソ連時代の本国生産数、右の総生産数は冷戦期~現在の本国生産数と各国のライセンス生産数を合わせたものです。T-90は1991年制式採用ですから冷戦後の生産になります。

 計算しやすいように戦車師団の戦車保有定数を300両とします。これが50個師団ありますからだいたい1万5千両必要です。T-80とT-64を合わせても1万2400両ですから足りません。おそらくT-72もかなり配備されていたとみるのが自然です。あるいは、師団隷下の戦車連隊のうち1個をT-80にして、残り2個はT-64T-72だったのかもしれません。

 大戦中のドイツ陸軍も装甲師団で2個ある戦車大隊のうち1個をⅤ号戦車パンター、残りをⅣ号戦車にしていたくらいですから。それとT-90が本当に1万両生産されたかも非常に疑問です。ロシア陸軍は2024年現在でわずか200両しかT-90を配備していないと言われます。インドとエジプトがライセンス生産をしていますが、エジプト軍はアメリカのM1A1エイブラムス(改修してA2相当にバージョンアップ)を1000両以上保有してこちらが主力ですから、T-90はあくまで保険なのでしょう。

 私見ですが、T-90は各型合わせても数千両くらいの生産が実態なのかもしれません。T-54/55の生産数が10万両で異様に多いのは、シナの59式戦車などライセンス生産あるいはパクリ生産分も含めているからです。T-80はレニングラード・キーロフ設計局が開発しましたが、冷戦期は主にハリコフ戦車工場で生産されたそうです。ですから、ウクライナは独立後T-80を改良したT-84を生産しますが、ウクライナ戦争中の2024年現在、T-80がわずか80両、T-84に至っては5両しか保有していないと言われます。

 いかにウクライナが平和ボケしていたか分かりますね。もしT-80系が1000両もあったらロシアはウクライナ侵略戦争を仕掛けたでしょうか?戦争前のウクライナは日本と似たような平和憲法を持ち、国防意識が低かったそうですからならず者国家に付け込まれたのでしょう。日本も決して他人事ではありませんよ。

 戦争を避けるためにはしっかりとした軍備を持ち、敵に侵略の意図を持たせないことが肝要。そしていざ戦争になっても軍備がしっかりしていれば侵略を跳ねのけられます。国際社会は綺麗ごとではなく、厳しい現実を認識するべきなのでしょうね。