鳳山雑記帳はてなブログ

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B-29が執拗に多摩エリアを狙った理由?

B-29爆撃機が執拗に「多摩エリア」を狙いつくした理由


 最初、この表題を見たとき日本のボールベアリング工場が集中していたからだろ?と普通に思いました。というのも米空軍がドイツ本土爆撃で最優先目標にしたのがドイツのボールベアリング工場地帯だったからです。懐かしのSLGホビージャパン『戦略空軍』でも米軍を担当した時思いっきり攻撃しましたし、ドイツ軍担当の時は最優先防衛目標でした。システムソフトの『空軍大戦略』にはなかったな。工場爆撃はあったんですが。空軍大戦略はお手軽戦術シミュレーションゲームなのでそこまでリアルは追及していなかったんでしょう。とはいえ、普通に戦ったら日本はじり貧になるし、負け戦の最終マップ日本本土決戦で奇跡的に戦力を集中してハルゼーの機動部隊を叩きぎりぎり勝った(というか痛み分け)時は狂喜乱舞しましたが(笑)。

 ボールベアリングは日本語では玉軸受と呼び軸受の可動部品間を玉を使って分離する転がり軸受の一種のことです。飛行機を含むあらゆる近代兵器はこれが無いと生産できないという軍需、民需産業のアキレス腱です。ドイツがそうだったから日本でもそうだろうと本文を読んでみると、ボールベアリングのことなど一切触れておらず中島飛行機の工場があったり陸軍燃料廠などが集中していたからだと書かれていました。

 あれ?ボールベアリングはどうした?飛行機も戦車もボールベアリングがなかったら作れないだろうが?私は疑問に思いました。そこでネットで調べてみたんですが、日本の場合はボールベアリングの一大工業地帯というものはなく、1907年の最初の導入以来20年くらいは外国からの輸入、戦時体制になってようやく国産ボールベアリング産業の育成政策が採られたそうです。

 これじゃドイツみたいにメッサーシュミットMe109が3万機、フォッケウルフFw190が2万機など大量生産はできませんな。零戦でようやく1万機ちょっとですから。米英のように大量生産できなかったのもボールベアリングの一大工業地帯がなかったからでしょう。

 戦前のボールベアリング工場の位置がはっきりと分からなかったんですが、千葉県松戸など分散して存在していたのかもしれません。もしご存知の方はご教授ください。そこで航空機工場などが集中する多摩地区を米軍が集中的に狙ったのでしょう。

 米英独(と、もしかしたらソ連も)は、ボールベアリングの一大工業地帯など工業基盤がしっかりしていたから大量生産も可能だったんだなと改めて感心しました。