鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

記憶があやふやで申し訳ないのですが・・・

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 私鳳山が長年、疑問に思っている伝説があります。出典がどうしても思い出せないのですが、イスカンダルアレクサンドロス)にまつわる話なんです。
 どこで調べても見つからなくて、記憶が正しいかどうかも疑問なんですが、あやふやながら紹介すると


 「ある晩、アッバース朝イスラム帝国のカリフが夢を見ました。かつてイスカンダル王(アレクサンドロス)が、地獄の民タルタル人が南下してこれないように、山岳に築いた長城の鉄の門にヒビが入っているというものです。このままではタルタル人が大挙して攻め込みます。心配になったカリフは、臣下を遣わして現地へ調べに行かせました。臣下ははるばる現地へ1年以上をかけてたどり着きます。そして門にヒビが入ってない事を確認して戻ってきました。報告を受けたカリフはやっと安心しました。」

 と、こんな話なんですが、その本では臣下ははるばるシルクロードをたどって万里の長城に行き、それをイスカンダルの長城と勘違いして、カリフに報告したと書かれていました。
 私の考えでは、それはありえないんじゃないかと思います。いくらなんでも万里の長城と勘違いはしないだろうと。
 伝説に対して、リアルな考察をしても意味がないだろうと承知してますが、アレクサンドロスが長城を築いたとするなら、その勢力圏から考えて、カフカス山脈ではなかったかと思います。タルタル人とは、中国でいう韃靼、特定の民族ではなくてタタールなどの遊牧民全体を指しているのではないでしょうか。
 
 歴史的に、アッシリアの昔から、カフカス山脈はオリエント地方に侵入する遊牧民たちの通り道でした。古くはキンメリア人、スキタイ人などが代表でした。農耕文明に属する人々にとって、馬を自在に操り風のように襲来して略奪を繰り返す彼らが地獄の民に見えたのも不思議ではないでしょう。

 そういえば、アレクサンドロス時代以降、遊牧民カフカスより、直接イランのホラサン地方から侵入するルートがメインになった気がします。だだ、そうなるとカフカスまでアッバース朝の首都バクダートから1年というのは長すぎます。

 さらに、カリフの夢は将来アッバース朝がタルタル人に滅ぼされる前兆だったともいえます。実際、この王朝を滅ぼしたのはタルタル人と同族と目されるモンゴルのフラグでしたから。1258年の事です。