鳳山雑記帳はてなブログ

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本日のローカルニュースで思ったこと

熊本発 水俣発!環境を守る紙ワザ師の挑戦
2011年2月5日(土)(テレビ朝日OA)熊本放送制作
 
水俣市在住の和紙職人金刺潤平さん(51)が、西洋紙の祖と言われる「サマルカンドペーパー」の復元に取り組んでいる。
19世紀に途絶えた製法を、現地の人たちに伝授することで住民の雇用や収入を増やしたいと思っているのだ。
これまで金刺さんは繊維があるものは何でも紙にする技術に取り組んできた。
イグサの特性を生かして、大気中の水分や化学物質を吸収・吸着できる高性能の壁紙も開発した。
静岡県沼津市出身。上智大学理工学部を卒業と同時に、日本青年ボランティア協会から派遣され水俣にやってきた。
大学時代、学問を通して追求した「効率化」への疑問が解決出来ないでいた時期でもあった。
効率を追い求めた結果引き起こされた水俣病を肌で感じ、患者と接する中で、
金刺さんの価値観は確実に変わっていったのだ。
サマルカンドペーパー」の復元は単なる地域おこしではなく、環境汚染にみまわれた水俣からのメッセージでもあるのだ。
                       - 財団法人 民間放送協会記事より -
 
 今日夕方のNHKローカルニュースで見たんですが、中央アジアウズベキスタンで活躍する熊本在住の日本人和紙職人の話です。
 
 なんでも、サマルカンドペーパーなる現代の紙の原型とも言うべき古紙の技術が失われ、それを日本人職人が現地の人とともに復元に努めているというニュース。NHKでは熊本出身って言ってたけどどっちやねん?(怒)
 
 そんな些細な事は置いとくとして(汗)、この職人さんの悩みは現地の人が民族の誇りとも言うべき古紙再生に対する情熱が薄いってこと。どうしても面白半分の気分が抜けないという悩みをかなりオブラートに包んで(苦笑)語ってました。
 
 
 このニュースを取材した人も、観た人もおそらく職人さん本人も知らないと思うのでお教えしますが、現在のこの国の名前を考えれば一目瞭然だと思うんですよ。
 
 ウズベキスタンってウズベク人の国って意味でしょ?昔このあたりなんといってました?ソグディアナっていったでしょ?このあたりはもともとイラン系の言葉を話すソグド人という人々が住んでいました。ウズベク人はトルコ系の遊牧民。16世紀初めにシャイバーニーハーン率いるウズベク族がこの地を治めていたティムール朝の残党を追い出して建国したのが最初。ちなみにその残党こそインドでムガール朝を開いたバーブルだったりします(笑)。
 
 製紙技術が失われたのは文字通り職人がいなくなったからですよ。↑のウズベク人が犯人というよりおそらくはチンギスハ-ンの征服が一番の元凶でしょう。
 
 サマルカンドをはじめとするこのあたりの大都市は皆モンゴル軍の侵略をうけ数十万単位で虐殺されました。とくにサマルカンドなどは徹底的に破壊されたため、後の時代に近くの別の場所に都市が再建されたくらいです。
 
 ですから紙職人はこの時に殺されたか、奇跡的に生き残ったとしてもモンゴルの首都カラコルムに奴隷として連れ去られたはず。ですからウズベクの人たちが興味本位なのは仕方ない事なのです。だって自分たちの先祖じゃないし、もしかしたらモンゴル軍に従って虐殺に加担したほうの子孫ですからね。
 
 どうも日本人紙職人の方の熱い思いが空回りしてるような気がしました(笑)。ソグド人の怨念が籠ってるとしたらサマルカンドペーパーの復元、駄目かもよ?(爆)
 
 
 
 しかしたかがローカルニュース見てここまで考えてる人間いないだろうな…(苦笑)。