鳳山雑記帳はてなブログ

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ドイツ装甲師団編成表

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 私は組織図が大好きでして、とくに装甲師団や歩兵師団の編成表を見るのが大好物でございいます。上の図は1944年におけるドイツ軍の装甲師団(上)と装甲擲弾兵師団(下。所謂機械化歩兵師団のドイツ呼称)の標準的組織図です。
 
 素人の方は、何やら不思議な模様ばかりでチンプンカンプンでしょうが(苦笑)、これNATO標準の兵科記号です。もともとは米軍の記号を基にしているので昔から存在します。
 
 例を上げると長方形のなかに横長の楕円マークは戦車部隊を表します。同じく長方形に×は歩兵。ということはこれを組み合わせて楕円形に×は、機械化された歩兵=機械化歩兵を表します。
 
 同様に長方形に黒点は砲兵部隊。長方形にEの倒れたようなマークは工兵部隊を表します。では楕円に黒点は分かりますか?応用できた人はセンスありますよ♪これは装甲砲兵(自走砲)部隊の記号です。
 
 あと長方形の上に×とか縦線が入ってるでしょ?これは部隊の規模を表してます。
 
 ×××××   方面軍(英ソ)、軍集団(米英独)、総軍(日)
 
 ××××     軍
 
 ×××      軍団
 
 ××        師団
 
 ×         旅団
 
 I I I                 連隊
 
 I I                  大隊
 
 I          中隊
 
 
 これを踏まえて上図を見ると、1944年型ドイツ装甲師団
 
 1個戦車連隊
 1個装甲擲弾兵連隊
 1個砲兵連隊
 
を基幹として、対戦車砲、高射砲、偵察、工兵の各大隊とその支援部隊が含まれることが分かりますね。
 
 この編成だと、1個戦車大隊がV号戦車パンター装備で71両ですから1個装甲師団で142両の戦車を保有することになります。
  
 
 しかしこの編成はドイツに戦車が不足していた時期のもので、理想的には戦車2個連隊(=戦車4個大隊)でしたから完全充足の装甲師団で284両の戦車があったことになります。
 
 だいたい各国の機甲師団(米英)、戦車師団ソ連)の戦車保有数が200~300両でしたから標準的ですね。
 
 
 一方下の装甲擲弾兵師団にも戦車大隊が1個付きますから準装甲師団とも言えます。
 
 アメリカ軍に詳しい方は歩兵師団に戦車大隊がつくのは普通だろ?って思われるかもしれませんがさにあらず!(爆)。
 
 アメリカは特別なんです。実はあの国には機械化歩兵師団とか自動車化歩兵師団は存在しません。なぜだか分かりますか?あの国は腐るほど金を持っているんで全歩兵師団が機械化されているのです!だからわざわざ分類する必要がなかったということ(苦笑)。
 
 その他の国は普通の歩兵師団と区別するためにわざわざ機械化とか自動車化とつける必要があったわけです。恐ろしいですね~怖いですね~!
 
 
 日本なんてなあ…、日本なんてなあ…自転車装備でも機械化師団って言ってたんだぞ!(号泣)まあ間違いじゃないが…(苦笑)。
 
 
 
 ところで軍の規模について説明してなかったですね(汗)。歩兵でいうと小隊で40~50名、中隊200名、大隊800~1000名くらい。連隊で2000~3000名です。師団は国によって規模が違いますが1万から2万位。
 
 軍団は2個以上の師団からなりますからだいたい5~8万くらいです。軍はその上級組織で10万規模になります。最大の方面軍、軍集団は数十万規模です。多い時は百万を超えます。
 
 
 これで戦記物を読む時理解が深まりますね♪もっとも戦記物を読むような人はこんなこととっくに知っているという事実もありますが…(苦笑)。