『ベルウィックサーガ』あらすじ
かつて大陸にて隆盛を誇ったラズベリア帝国。しかし時代の移り変わりの中で滅亡し、やがて「ヴェリア王国」と「ラーズ帝国」を生み出した。同じ国を母体としながら、しかし宗教的な教義の違いを抱えた両国は対立し、やがて長きに渡る戦乱へと発展する。
建国時から周辺諸国を次々と併合し、東部の覇権を手中に収める大国となったラーズ帝国に対し、ヴェリア王国は西側の周辺諸国24カ国と同盟を締結。「ベルウィック同盟」としてラーズ帝国の侵攻に対抗する構えを取った。相次ぐ戦乱の中、次第にベルウィック同盟側は劣勢に立たされていく。そしてヴェリア国王モルディアス四世が前線にて奇襲を受け、戦死し戦線は瓦解。同盟軍は後退を余儀なくされ、ついには同盟の中心国、ヴェリア王国が陥落する。
辛くも避難したモルディアスの嫡子ウォルケンスが新たな王として同盟盟主の地位を継ぎ、ナルヴィア王国にて反抗の機会をうかがうと共に、同盟諸国に対し「ラーズ帝国討つべし」の檄を飛ばし、その戦力をナルヴィアへと集中するように呼びかける。
物語は、呼びかけに応じた西方の小国・シノン公国の公子リースが騎士団を引き連れ、ナルヴィアへと合流するところから始まる。
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もともと任天堂の看板シリーズ「ファイアーエムブレム」の開発スタッフが独立して制作、発売しようとしたエムブレムサーガは、あまりにもFEに似ていたため、任天堂に提訴されました。
裁判で負けたため、FEに似た部分を極力排除してティアリングサーガシリーズとしてプレステーションで発売されます。
本作はその2作目で、プラットホームをプレステーション2に移して発売されました。
こういう経緯を知っていたため中古屋で1580円で売り出されたところを即買いました(笑)。
さっそくやってみたんですが、難しすぎます。ゲームシステムはFEと全く一緒。これじゃもめるわけだ(爆)。ただ難易度が超絶です。私はたまたま改造ツールのプロアクションリプレイを持っていたため、ネットで改造コードをみつけてやっとこさクリアしました。
いないとは思いますが、今後このゲームを遊ぼうと思っている人は、最低でも資金マックスとアイテムセレクト自由のコードは必要でしょうね。それでも難しいですが(苦笑)。
準備万端終えたら、ストーリーは秀逸です。主人公は辺境の公国の公子。自らのシノン騎士団を率いて、帝国に侵略されつつも内部抗争を繰り返す愚かな主人である王家のために戦い続けます。
どんな理不尽な仕打ちにあってもあくまで王国のために戦おうという主人公の姿勢は好感が持てますが、時にはいらだたせてくれます。そこまで尽くさなくてもいいだろう、と何度も画面に突っ込みました。
このゲームのウリは、主人公率いるシノン騎士団に何人かの傭兵を雇えることです。その傭兵ひとりひとりもストーリーがあり、話が進んでいくうちにそれが分かってきます。
親の仇を探す女剣士。剣の道を究めるために傭兵になった若者。裏切り者と蔑まれた父の汚名を晴らすために傭兵になった女騎士。ひと癖もふた癖もある傭兵たち。
なかでも私がお気に入りなのは、盲目の少女の眼を治す手術代を稼ぐために傭兵になった元海賊、アグザルです。戦力的にも頼もしいのですがストーリーが泣かせます。
もしかしたらこの少女の両親を殺したかもしれないという自責の念にかられ、難破したところを彼女に助けられたことから恩を感じ、その手術代を稼ごうとがんばります。
そして手術は無事成功、しかし純真無垢な少女に人殺しで血にまみれた自分がそばにいてはいけないと、彼女の光が戻る前に自ら去っていきます。
最後の戦闘の後、リース公子に別れを告げ一人船乗りとして生きていこうと語るアグザル。しかし、リースはこのまま黙って去って行って良いのかと尋ねます。
黙り込むアグザル。遠くから「おじさ~ん」と叫びながら駆け寄ってくる少女。実はリースは修道院で少女の世話をする修道女からこのことを聞き、アグザルと会わせるためひそかに招いていたのです。
泣きじゃくる少女を抱きしめるかっての海賊の目にも涙が浮かんでいました。ゲーム史に残る名シーンです。恥ずかしながら、私も泣いてしまいました。
もしこのゲームをこれから遊ぼうとする人は、この名エンディングを見るためにアグザルを雇い続けてください。これにはいくつか満たさないといけない条件があるんで攻略サイトで確認してくださいね。
それにしても久々にすばらしいストーリーのゲームを遊べました。難易度は超絶だけど(苦笑)。