鳳山雑記帳はてなブログ

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新春時代劇「徳川風雲禄」について

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 2日夕方から実家熊本に帰っておりました。正月休みが3日だけだったので、1日中テレビを見ておりました。

 たまたまテレビをつけると、新春時代劇をやっており最後の4時間だけでしたが見てしまいました(爆)。柴田錬三郎原作ということで期待して見たんですが、期待はずれでした。

 私は、眠狂四郎シリーズを全巻集めるくらいの柴錬ファンなんですが、この原作は不幸にして読んでいません。でもほんとにこんなストーリーだったら読まなくて良かったです。

 だって、柴錬作品は、根底にニヒリズム虚無主義)がありながら、美意識が高く調和されているのが特長なのですが、この作品のラストは後味が悪すぎます。

 徳川吉宗と、その御落胤と称する天一坊の対決が軸になっていますが、もし実子説をとるならもっとラストが違っていても良かったのでは?と愚考するしだいです。

 天一坊事件は、加藤剛大岡越前でもありましたが、あちらの方が断然面白かったです。天一坊が本当のご落胤かどうか?唯一の生き証人を巡っての両陣営の虚々実々の駆け引き。なかでも天一坊の軍師、江原真二郎演じる山内伊賀之介が渋かった!こちらの内藤剛志は軽すぎる!それに雲霧仁左衛門大地康雄)が出てたけど実在の人物?あれは池波正太郎の小説で出てくる架空の人物じゃないの?などというツッコミばかり入れてました(笑)。

 もしそうならマズイよね?実在の人物ならいいんですけど…。


 それに雲霧仁左衛門天知茂以外認めな~い!!!!


 それはいいとして、一番不満だったのが大岡越前の扱い。あれじゃただの融通の利かない馬鹿官僚じゃないの!加藤剛の越前は、法に厳しく人に優しいまさに名奉行だよ!もっと言わせてもらえば吉宗は山口崇でしょ?次点で松平健マツケンでてたのにわけの分からない浪人だったよ。

 越前が非道な決断をしても、親友の榊原伊織先生がゆるさないよ!

 このドラマの越前は酷すぎる!将軍との対面をする前に体を清めるようにと天一坊に風呂を勧めながら刺客を用意してだまし討ちかい!人間の屑だな!しかも天一坊が抵抗すると、いけしゃーしゃーと出てきて、涙を浮かべながらのくさい演技。
「どうして将軍のお子として見苦しいまねをなさる。なぜいさぎよく腹を召されないのか!」

 語るに落ちたとはこのこと。あんた実子だと認めとるじゃないの!しかも泣きながら駆けつけた吉宗に
「ご立派な最期でした」
などとよく言えるね!


 まだ、大岡越前の悪党偽者の天一坊のほうが納得いくよ。新年早々、後味の悪いドラマでした。本当に柴錬原作に忠実?脚本家が勝手にストーリー変えてるんじゃないの?同じ変えるんなら後味の良いストーリーにしてよ。天一坊が死んだ事にして恋人と秘かに田舎で生きる、とかさ。そのまえに天一坊も悪行ばかりしてるんだから、悪党で偽者に徹したほうがよかったかも?そのほうが潔いよ!!!