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世界史英雄列伝(21) ルドルフ・シュタイナー - 智の巨人 -

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ルドルフ・シュタイナー 1861年~1925年 哲学者・神秘思想家・教育者

1861年 当時オーストリア領のクラリエヴェクで生まれる。
1884年 ゲーテの残した自然科学に関する論考文を編纂、出版。
1891年 ロストック大学で哲学博士号を取得。
1894年 哲学的主著「自由の哲学」GA4を出版。
1902年 神智学協会会員となる。
1911年 東洋神秘思想に流れる神智学協会と決別。人智学協会を設立。
1919年 自由ヴァルドルフ学校を開校。
1922年 世界中を講演してまわる。
1925年 死去。

 最近、私鳳山が義憤に駆られていることがあります。田舎者のたわごとと言ってしまえばそれまでですが、あまりに今の若者のマナーが悪すぎます。電車の中で平気で化粧する女、年寄りに席を譲らずにどかっとシートに座っている高校生の集団。買い物のレジでも平気で携帯電話を続ける若者。サラリーマンでも携帯電話しながら道を歩いている人がいます。中学生に行ったあるアンケートでは、「セックスをする相手」に「お金をくれる人」と答えた馬鹿が9%もいたそうです。数え上げるときりがないので、このへんで止めておきますが、人としてどうなのか?と疑問に思います。なんで日本はこうなったのでしょうか?色々原因がある中で教育の問題が大きいだろうと考えています。

 初めは、日常のカテゴリーで書こうと思ったんですが、考えているうちに教育問題をとりあげ社会に提言したほうが良いのではないか、と考え始めました。教育を考える時、私はルドルフ・シュタイナーの「全人格教育」を思い出します。今まで国王・政治家・軍人ばかりを取り上げてきた英雄列伝ですが、今回はシュタイナーを書かせてください。

 ルドルフ・シュタイナーは哲学者・神秘思想家・教育家として有名です。ゲーテ研究など哲学の分野で取り上げられても、なかなか神秘思想家としての一面はアカデミズムの分野では受け入れられていません。しかし神秘思想は教育と密接につながっているのです。
 人間の本性は善なのか悪なのか?孟子の「性善説荀子の「性悪説」と古来から議論されていますが、私の立場から言わせてもらえば、「人間の本性は善なるも、教育によって善にも悪にもかわる。」です。
 日本の民度の低下と教育の荒廃は、戦後教育の歪みにあります。履き違えた自由を主張する若者に育て上げたのは大人たちです。今まで思想問題は避けてきましたが、あえて言わせてもらうと責任の一端は日教組にあります。人に教育をする人間が権利を主張してどうする!その前に教育者自体が人格者たるべきではないのか!教員採用を学力だけでするのではなくて人格者を選ぶべきではないのか?その意味では文部省の罪は万死に値します。もっとも選ぶほうがつまらない人間では、相手が人格者かどうか分からないでしょうが。

 なかなか、本題に入らず恐縮です。シュタイナーは「霊的な現象とは自らの無意識にアクセスすることで過去の膨大な記憶(集合無意識=アカシックレコードとも考えられる)を知る事」と喝破します。
 それが東洋の神秘思想に傾斜していった神智学協会との意見の食い違いになりました。
 この点、現代アカデミズムが理解できない、評価の分かれるところですが、シュタィナーは、人間が霊的に進化するためには教育が非常に大切であると悟ります。
 シュタイナーの「全人格教育」と呼ばれるのがそれです。欧米では32カ国600校以上が採用しているといわれています。
 
 具体的には、
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∋匐,錬刑个瓦箸鉾展的段階を経る。
 第1段階 - アルファベット、読み書きを教えると同時におとぎ話による情操教育を行う。
 第2段階 - 想像力と幻想の目覚める時期。教師と生徒1対1で向き合い教育する。
 第3段階 - 思春期。霊的洞察と調和に対する理解。
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 まず意志力を教える。次に人に対する共感、美しいものに対する感動を教える。そして最期にようやく
 知性が芽生える。

 どうです、このようなきめ細かい教育をすれば、現代の日本の若者など生まれようもないでしょ?
 しかし、ナチスが台頭してくると、調和を大事にするシュタイナーの教育は目の仇にされました。ヒトラーの「人類は生成途上の神である。神への進化は破壊のあとに成される」という思想と真っ向から対立するものだったからです。シュタイナー学校は活動の拠点を海外に移さざるを得ませんでした。

 戦後、シュタイナーの教育に共鳴し欧米では多くの学校が建てられました。日本でも幼児教育にシュタイナー思想を取り入れているところがあるそうです。

 最後に、イギリスの作家コリン・ウィルソンのシュタイナー評を紹介します。
 「宗教の存在が不確かになった現代(20世紀)において、本当に人の心を救えるような精神文化を育てる事が可能だろうか?シュタイナーは今世紀初頭に、その困難な課題にいち早く挑戦した人である。」