鳳山雑記帳はてなブログ

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三菱局地戦闘機 『雷電』

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雷電(らいでん)は、日本海軍が開発し、太平洋戦争後半に実戦投入した局地戦闘機/乙戦。アメリカ軍を中心とする連合国側のコードネームは「Jack」。局地戦闘機(以下「局戦」と略)とは空母から運用される艦上戦闘機とは異なり、陸上基地からの運用を前提とした戦闘機を、乙戦とは対爆撃機戦闘・迎撃戦闘を行う戦闘機を指す日本海軍独自の用語。「雷電」という名称は愛称ではなくこれが制式名称であり、乙戦の場合は「雷」または「電」の字を含む事と定められていた。

                          - フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より -

 日本機には珍しいずんぐりとした機体。紡錘形の胴体は直径の大きい火星エンジンを搭載するためできるだけ空気抵抗を減らそうとしたものです。しかし、あまり空気抵抗を減らす効果はなかったみたいです。直径の大きいエンジンを搭載する場合、エンジンの直径を生かした機首から、絞り込むような胴体にすべき(例 フォッケウルフFw190、二式戦)で、そのように改修する案が三菱側からでたそうですが、量産に支障がでるという理由で海軍に却下されました。

 無理に紡錘形にしたために、エンジンが後方に位置し、延長軸でプロペラを回さなければならなくなってしまいました。しかも空気取り入れ口が狭くなったため、強制冷却ファンまで装備されました。

 零戦に代わる海軍の主力戦闘機として期待されましたが、振動などトラブルの改修で実用化が遅れ、ほぼ同時期に完成した紫電改と比較されます。

 海軍における新型機の審査を受け持つ横須賀航空隊は、両者の試作機を使用した比較テストから「紫電改は対戦闘機戦闘も可能だが、雷電零戦と組み合わせなければ性能を活かすのは難しい」と結論し、「雷電の生産を中止して紫電改の生産に集中すべき」という報告書が横空から航空本部に提出されるほど雷電の評価は低下していました。(同ウィキペディアより)

 
このように評判の悪い雷電ですが、紫電改のエンジンである「誉」は取り扱いが難しく整備陣のレベルが高くないとまともに運用できないという最大のウィークポイントがありました。一方、もともと爆撃機用エンジンであった「火星」はエンジンの信頼性という意味では上です。

 しかもB‐29など高高度で侵入する重爆撃機をまともに迎撃できる機体がない日本にとって、高高度で曲がりなりにも動く雷電は必要でした。B‐29迎撃ではそこそこの戦果を挙げています。

 日本ではあまり評判の良くない雷電ですが、戦後同機をテストしたアメリカ軍パイロットには好評でした。米軍機らしい太い胴体と広い操縦席で乗り心地が良かったそうです。しかも米軍の高オクタンガソリンで飛んだ雷電は実に671km/hという高速を記録します。日本で問題となっていた振動や着陸性能の悪さも米軍の基準では問題とされなかったそうです。

 こうみてくると、意外と雷電は良い機体だったのかもしれません。