鳳山雑記帳はてなブログ

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結局ウクライナにHIMARS供与が決まりましたな

米、ウクライナに長距離ロケットシステム提供へ


 軍事に詳しくない方は何のことかチンプンカンプンだと思いますが、先日書いたアメリカのウクライナへのMLRS(多連装ロケットシステム)供与問題、バイデン大統領がロシア領内を攻撃できる長距離ロケット兵器は供与しないと明言したので立ち消えになったのかと心配していたんですが、HIMARS(最大射程70㎞)供与が決定したので一安心です。

 M270 MLRSが恐ろしいのはコンテナを乗せ換えると射程300㎞の地対地ミサイルATACMSを発射できること。通常のロケット弾コンテナもミサイルコンテナも外見では区別できないためロシア軍が過度に警戒し戦争をエスカレートさせるのをバイデン政権が恐れたと言われています。

 その点HIMARSはMLRSと同じ227㎜ロケット弾を発射でき、MLRSの12発に対し半分の6発搭載しています。MLRSが装軌式で25トンあるのに対し半分近い13.7トンで装輪式。機動力が格段に違います。ただ懸念材料もあり、いまだウクライナの泥濘期は続いているので装軌式のMLRSの方が良かったのではとも思います。6月中旬以降はそれが解消され硬い地面に戻るそうですが。

 しかし現在、東部戦線ではロシア軍の攻勢が続きルハンシク州の要衝セベロドネツクが危機的状況なので迅速に展開できるHIMARSに白羽の矢が立ったのでしょう。実はここにきてロシア軍が優勢なのは射程70㎞の多連装ロケットシステムBM-30スメルチでアウトレンジ攻撃しているからだとも言われています。一方ウクライナ側は米軍供与のM777で射程40㎞、ドイツ供与の自走榴弾砲PzH2000も射程40㎞です。ウクライナ軍は陣地を固守しているので無誘導のロケット弾で壊滅することは無いとは思いますが、それでも一方的に叩かれるのは苦しい。

 だからこそウクライナ軍は、ロシアの長距離ロケット砲に対抗できる火力が欲しかったのです。バイデン大統領が供与しないと明言したので話が立ち消えになったのかと心配していたんですが、あれはATACMSを供与しないという話で多連装ロケットシステム自体は供与できるという事だったんでしょう。

 MiG-29の時とそっくりですよね。ロシア軍をウクライナ領内から叩き出すには戦闘機も必要だし重火器や装甲車両も必要です。戦争をわざと長引かせるのでなければ、ウクライナ軍の役に立つ兵器はどんどん供与すべきだと思います。日本もFH70 155㎜榴弾砲くらい供与したらよい。その代わり防衛費を10兆円にして99式155㎜自走榴弾砲をどんどん生産して代替すれば理想的です。日本の地勢から牽引式榴弾砲より自走砲の方が良いと個人的には思っています。

 セベロドネツクを第2のマリウポリにしないためにもHIMARS供与決定は朗報でした。ついでに言うとネット番組で自衛隊OBの元陸将が仰っていたんですが、今後ロシア軍は陣地戦に移行するので50年以上前のT-62をモスボールから引っ張り出してきても馬鹿にできないそうです。もちろんロシア軍の戦車不足はあるんでしょうが、機動戦にT-72以降の戦車を使用し、防御戦ではT-62を使用する気なのでは?とのこと。

 戦車相手には力不足でも、115㎜滑空砲は歩兵相手には猛烈な威力を発揮するそうです。陣地戦なので歩兵の援護がありウクライナ軍もジャベリンを撃ち辛くなると言われています。

 どちらにせよ、ウクライナ戦争は長引きそうで一般市民の犠牲が増えるのは心苦しいですが、悪の侵略者を叩き出すために国際社会も全面協力したいですよね。皆さんはHIMARS供与のニュース、どのような感想を持たれましたか?