鳳山雑記帳はてなブログ

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着々と進む南部戦線でのウクライナ反抗作戦

ロシア軍占領の南部要衝ヘルソン、橋が通行不能で周囲から孤立化…ウクライナ軍の反転攻勢が加速!


 詳しいことは分からないんですが、ウクライナ南部戦線でロシア軍の1個BTG(大隊戦術グループ、1000人規模)がウクライナ軍に包囲されたとか、いや包囲されたのは3000人のロシア軍兵士だとか情報が錯綜しています。アメリカがウクライナに供与した高機動ロケットシステムHIMARSが猛威を振るっているという話もあり、停滞していた戦争がウクライナ有利に傾きつつある兆候かもしれません。

 ご存知の通りロシア軍はウクライナ全土の占領を諦め、東部ドンバス地方の占領に切り替えここに兵力、火力を集中、第1次大戦型の塹壕戦で精密射撃ではなく面を制圧する砲撃でウクライナ軍を苦しめていました。こういう戦場では火砲の数がものを言い、西側の精密射撃できる兵器の出番はありません。その結果、ルハンシク州はほぼロシア軍に制圧され、ドネツク州でもウクライナ軍はじりじりと後退しています。ただウクライナ軍も、戦線を整理し守りやすいところまで後退し陣地を固めてロシア軍の攻勢を防ぐ作戦なので、ここからがしぶといと思います。

 一方、そのおかげで兵力を引き抜かれた南部戦線ではロシア軍は防御に徹するしかなくなりました。ウクライナ軍としてはそこが狙い目なのでしょう。元自衛隊高官などはウクライナ軍が東部戦線の戦況だけを発表し南部戦線に関してはほとんど沈黙している状況を見て「南部で大規模な反抗作戦を企図しているのでは?」と指摘していましたが、専門家の見解は正しかったのでしょうね。

 まだまだ数が少ないHIMARSを有効利用するには、敵部隊を直接叩くのではなく補給拠点、補給線を叩くべきなんですが、ウクライナ軍は軍事のセオリー通り忠実に実行しているように見えます。戦争は自軍の有利な点を最大限発揮し敵の弱点を衝くのが要諦です。東部戦線ではロシア軍が実行し南部戦線ではウクライナ軍がそれをやっているのでしょう。

 ただ日本のマスコミが報道しているような、HIMARSの命中精度が1セント硬貨を撃ち抜く程度というのは真っ赤な嘘ですからね。ミサイルにせよ大砲にせよ半数必中界(CEP、平均誤差半径ともいう)と言うものがあります。これは砲弾やミサイルを発射した場合半数が目標地点を中心とする円内に着弾する可能性のことで、CEPが小さければ小さいほど高性能だという事です。

 HIMARSにせよ、同じ砲弾を使っているMLRSにせよ、一番精度が高いとされるATACMSを使用してCEPは9mだと言われます。これくらいの精度があると橋を破壊したり穴をあけて使用できなくすることが出来ます。実際、ロシア軍は補給線の要である橋を何か所も破壊され補給に苦しんでいると言われます。ロシア軍にはここまでの精度を持つミサイルはありません。いや、昔はあったのかもしれないが開戦初頭の大盤振る舞いで枯渇しているそうです。西側の経済制裁半導体などが入らなくなっているため新たに生産できなくなっています。高度な技術を要しない大砲の砲弾(もちろんGPS誘導とかは無し)は大量生産できるので、ロシアが軍がとり得る最良の戦術が火砲で圧倒する事なんでしょう。

 ウクライナ軍には嬉しい情報もあります。アメリカがついに戦闘機を供与する可能性に言及し始めました。そのための訓練も他国(おそらくイギリス辺り)で行うと言っていますので、これが実現したらロシアにとっては嫌でしょうね。もともとNATO早期警戒管制機AWACS)はウクライナ国境上空を飛んでいました。ウクライナが使用するMiG-29はAWACSとの直接の情報共有は難しいと考えられていたのでアメリカ製戦闘機が加わるならデータリンクが可能になります。もっともスロバキアが供与したMiG-29はアビオニクスを西側準拠に改修しているのでデータリンク可能だとは言われていますけどね。ここらあたり情報が錯綜しているので真実は分かりませんが…。

 南部戦線でロシア軍の少なくない部隊(1000人~3000人)がウクライナ軍に包囲されているという情報が本当らしいのは、ロシアがここに人道回廊設置を求めている事です。ちょうどマリウポリとは逆の状況になったわけです。しかしウクライナ軍が同胞のウクライナ人を迫害するはずはないし、困るのはロシア兵だけですのでウクライナ軍は拒否するでしょうね。ただ卑劣なロシア軍はウクライナ人を盾にする可能性もあります。ここだけが注意点です。

 ウクライナ軍の南部戦線での攻勢、ぜひ成功してほしいです。ここでロシア軍をクリミア半島に押し込めることが出来れば浮いた兵力を東部戦線に送ることも可能になるのでますます有利になります。侵略者ロシアを叩き潰すために西側も結束して援助していかなければなりません。日本でロシアを擁護している連中は特亜の工作員ですからね。まさか信じている人はいないと思いますが、悪人の戯言をまともに聞いてはいけませんよ。