鳳山雑記帳はてなブログ

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全面侵攻は無くともドンバス地方の分離独立からのロシア編入はあるかも?

米国は「戦争が必要」とロシア反発 「偽情報はいつもの手口」  

 ウクライナ危機に関し識者の中には意見が分かれていてロシアのウクライナ侵攻は絶対あるという人もいれば逆に絶対にないと言い切る人もいます。ただ国境沿いに12万人から17万人も兵力集中させているんですから何も起こらないということは無いと思います。

 ただ、侵攻無し論者が語るように十数万程度の兵力では広大なウクライナを全面支配することは不可能。ウクライナ軍は粉砕できても各地でパルチザンが蜂起して占領維持できなくなります。また全面侵攻論者が主張するベラルーシ白ロシア)からロシア軍が南下することも不可能です。独ソ戦史を調べた人ならご存知だと思いますが、ベラルーシウクライナの間にはポリッシャ地方という有名な大湿地帯が広がっています。知らない人はグーグルマップを見てもらえば分かりますが、ドニエプル河の支流プリピャチ川流域を中心に広がる面積27万平方キロの場所です。

 無数の支流が網の目のように流れ、その三分の一は森林地帯。一部は泥炭地、残りはアシなどが生えた湿地、ヤナギ、ハンノキが生えた湿原です。とても機甲部隊が通り抜けられるような地域ではありません。歩兵のみなら大丈夫そうですが、補給を考えると無理です。無理に補給をしようとしても地形を熟知しているウクライナ側のゲリラ攻撃の格好の的になります。自称軍事専門家が空挺部隊なら大丈夫だと言いましたが、この人戦史を知らないのかと呆れました。空挺部隊は機動力はありますが通常の歩兵に比べ軽武装で後続の地上部隊が到着しなければ全滅します。第二次世界大戦でマーケットガーデン作戦という有名な失敗例がありますよね。往年の戦争映画の大傑作「遠すぎた橋」を見て欲しい。

 私はロシアがベラルーシに配置した兵力は牽制の意味しかないと見ています。本命はウクライナ東側国境に展開したロシア軍。実は侵攻はすでに行われていてドンバス地方にはロシアの息がかかった反政府勢力が実効支配している地域がありますし、ロシア軍もかなり浸透していると言われています。これは2014年から続いていてドンバス戦争と呼ばれています。

 ですから、侵攻が絶対に無いと言っている人も間違いですでに行われているんです。ただ全面侵攻論者も間違っていてロシアの意図はウクライナ全土の占領ではないだろうし、実際不可能です。ドンバス地方の分離独立からの編入くらいが可能性としてあり得ると見ています。というのも部隊を展開したら何もしなくても日々膨大な物資を消費するからです。今のロシアにそんな余裕はないでしょう。地上部隊12万なら師団換算で6個から8個くらい。今のロシア軍は旅団編制中心ですがね。ということで少し古い資料ですが冷戦期のソ連1個自動車化狙撃師団の一日当たりの物資消費量は2600トン。2600トン×6で15600トン消費します。この数字は今でもそうは変わっていないでしょう。まあ節約して2000トンとしても12000トンは必要です。これがより機械化が進んだ米陸軍なら一日当たり3500トンから4000トンも必要になります。大規模なヘリ部隊がとくに燃料などを喰いますからね。あと戦車もガスタービンエンジンだから金食い虫です。

 軍隊が駐屯地を出て野戦陣地に籠るとこれだけ膨大な物資が必要なんです。今のロシア経済では長期間の負担に耐えられないでしょう。これが日本でもぞっとします。という事で、何もせずに撤兵したらお金をどぶに捨てたことになるので軍当局もプーチンも行動を起こさないという選択肢はないように思えるんです。

 結論としては何らかの行動は起こすと思いますし、日本も経済的に巻き込まれる可能性は高いと見ています。すでにウクライナとロシアが主要産地である小麦の値段が高騰していますよね。聞くところによるとウクライナとロシアで世界の小麦生産の3割から4割を占めているとか。日本にもすでに影響が出ていますよ。あとは石油、天然ガスも高騰しそうですし最悪の場合台湾有事と連動する可能性も捨てきれません。

 という事で岸田政権も決して他人ごとではないとして対処してほしいんですが、あの人危機意識ゼロだから無理そうですね。こんな有事に無能な総理を持った日本の不幸を嘆くか、国民が目覚めて弱腰政府の尻を叩くかで日本の未来が決まりそうです。皆さんはウクライナ情勢どう見ますか?