鳳山雑記帳はてなブログ

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ただの強がりだとは思うが、ロシアさんその方針は戦術的に正しいの?

ラブロフ外相、ロシア軍の目標はウクライナ東部に限らず…西側諸国の兵器供与で計画変更!


 軍事のド素人ラブロフ外相が戦況も自国の戦略的状況も知らず勝手に吠えてる可能性は無きにしも非ずだとは思いますが、これがプーチン政権の方針だとすると絶望的に戦争が分かっていませんね。

 ロシア軍がウクライナ東部ドンバス地方で攻勢を強めているのは、他戦線で防御に徹し引き抜いた兵力をドンバスに集中させ、自国が優位に立っている圧倒的な砲兵戦力でウクライナ軍を圧迫しているからです。第2次大戦の戦車を中心とする機動戦でもない、第1次大戦型の塹壕戦のような戦法です。これをやられるとウクライナ軍はきつい。ウクライナ軍の10倍ともいわれる火砲による砲撃では精密攻撃は必要なく面を制圧することが目的ですから、いくらウクライナ軍が西側の最新兵器を持っていても使うところがないのです。
 
 ウクライナに投入したロシア軍は20万人弱だと言われますが、ウクライナ全土を制圧するには圧倒的に数が足りない。最低でも、戦後の占領統治まで考えると80万人は必要だとされていますね。ということで、ロシア軍が勝つためには他戦線は防御に徹しドンバス地方のルガンスク、ドネツク両州を制圧した時点で停戦するしかない。ウクライナは絶対同意しないでしょうが。

 ただでさえ少ない兵力を各地に分散させ多方面で攻勢を強めれば戦線ごとの圧力は減りウクライナ軍としても大歓迎でしょう。ロシアが慌てているのは西側の高機動ロケット砲システムHIMARSやM270MLRSが届き始めたからだと言われますね。ウクライナ軍はロシア軍の部隊を直接叩くのではなく後方の弾薬庫や補給拠点を叩いているそうですから巧妙です。おかげで、ロシア軍の火砲による砲撃は激減したと言われます。

 これは未確認情報ですが、米バイデン政権が拒否したHIMARSから発射でき300㎞の射程を持つ地対地ミサイルATACMSをイギリスが供与するという話もあります。MLRSもアメリカは供与しませんでしたがイギリスが供与しました。イギリスの本気度が分かります。

 ウクライナ軍はATACMSを使ってロシア本土とクリミア半島を結ぶクリミア大橋を攻撃するという情報もあります。ロシア軍もこれを恐れ防御を固めているそうですが、全長18㎞もあるので全部を守り切るのは不可能でしょう。あるいは対艦ミサイルハープーンの空対地ミサイル型SLAMを供与したという話もあります。実はスロバキアが供与したMiG-29はアビオニクスなどを西側装備に換装しSLAMも撃てると言われています。ここらあたりは自信がなくあくまで噂ですが…。

 MiG-29の航空攻撃でSLAMを発射しクリミア大橋を破壊するという選択肢もあり、ロシアとしても気が気ではないでしょう。ロシアが占領しているクリミア半島は橋ができるまでは船で補給していたそうで、橋が無くなったらロシア軍の少なくとも南部戦線の部隊は補給に苦しみます。HIMARSはすでに南部戦線で猛威を振るっているそうですし、膠着した戦線がようやく動き出すかもしれません。最近ウクライナ政権幹部の発言が妙に明るいのはこのせいなのでしょうか?

 ともかくウクライナ戦争は一刻も早く終わって欲しい。HIMARSやMLRSの活躍でそれが実現できるなら大歓迎です。7月は要注目ですよ。