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『エデンの園』はどこにあったか?

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 旧約聖書、創世記に書かれるエデンの園。果物や木々が生い茂る楽園で、中央には命の木と善悪の知識の木が生えていたという場所です。この地に住むものは不死を約束され、神はこの地を管理するためアダムとイブを創造しました。
 イブが蛇に騙され善悪の知識の木実を食べ、アダムにも勧めた事から神の怒りを買い、追放されたといいます。

 エデンの園はどこにあったか?という謎は昔から言われてきました。有力な説は、創世記の記述で「東の方」と書かれていることから古代メソポタミア地方だと推定されています。また、アラビアのアデン(エデンと酷似?)という説、アフリカ大陸の、かって緑あふれていたとされるサハラ説、エチオピア説など色々な説があります。
 私も興味を憶えて調べてみたのですが、ベイルート大学歴史学の教授で中東学の権威、カマール・サリービーと言う人の書いた「聖書アラビア起源説」(草思社88年)という本に興味深い話が載っています。この本、現在絶版になっていて手に入れることができないそうです。
 私もインターネットで見ただけなので詳しいことは分かりませんが、この本によると旧約聖書に出てくる地名と、現在パレスチナの地名がほとんど一致しないそうです。確たる証拠となる遺跡も発見されていないそうです。
 エルサレムとはアラビア語の「アル・シャリフ」という語と同様「祝福された場所」と言う意味で、日本で言う「鎮守の森」のようなニュアンスだということです。当然、同じような地名は中東各地にあるそうです。

 この本では、聖書の舞台はアラビア半島西岸、メッカの南、紅海に面したアシール地方がそうではなかったかと推定しています。この地にはもちろんアル・シャリフがあります。しかも聖書に出てくる地名と類似の地名が多いそうです。ユダヤ人の子孫も多く済み、かつては緑あふれる楽園だったことが研究で明らかになっています。

 私も昔、新聞で読んだ記憶があるのですが、日本ではあまり話題にならなかったようです。欧米では当時反響が大きかったそうですが。なかなか興味深い話ですね。