鳳山雑記帳はてなブログ

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書評「戦争のテクノロジー」(ジェームズ・F・ダニガン著 河出書房新社)

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 ダニガンといえば、往年のボードシミュレーションゲーマーにとっては神のような存在です。かくいう私も名前くらいは知っています。
 
 日本でいえば、ジェネラルサポートの阿部隆史氏がかろうじて合格点を上げられるゲームデザイナーですが、ややアカがかっている阿部氏と比べるのも失礼なくらいハイレベルなデザイナーが彼です。
 
 手がけたゲームは300以上、とうぜんリアル路線ですから詳細なリサーチをします。その膨大な知識は一流の軍事評論家にも引けをとりません。実際ダニガンのゲームを米国防省、CIA、イスラエルソ連(今はロシアもか?)が研究していたくらいです。
 
 現在は戦史研究の第一人者として米国防総省、防衛分析研究所をはじめとする多くの機関や大学で教鞭をとっているそうです。
 
 そのダニガンが手掛けた本書たしかに1984年と古いですが、エレクトロニクスなど現代戦の萌芽はすでに出現していただけに内容の的確さにはとても感心させられました。
 
 また同時に日本における軍事関係の書籍のレベルがいかに低いかも思い知らされました。
 
 「素人は戦術を語り、プロは兵站を語る」といいますが本書はまさにこれ!兵站の重要性と実際の運用を図表で示しながら分かりやすく解説しています。米ソ西独主要師団の一日補給所要量、地上軍・艦船に対する戦術核兵器の影響、主要化学兵器一覧、航空機に必要な補給量など日本における類書ではまずお目にかかれないような資料も豊富で、その資料的価値だけでも買いです。
 
 いやあ、買って良かった名著でした。一生の宝ものにします!
 
 
 皆さまの中で軍事知識のレベルアップをしたいという方にお勧めします♪