鳳山雑記帳はてなブログ

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書評 「鬼の義 小説真壁氏幹」

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 真壁氏幹って誰?っていうのが普通の人の反応だと思います。戦国時代好きでも相当ディープな人じゃないと御存じないでしょう(苦笑)。
 
 どういう人物かというと…
真壁 氏幹(まかべ うじもと、天文19年8月2日1550年9月12日) - 元和8年3月7日1622年4月17日))は、戦国時代から江戸時代武将佐竹氏家臣。暗夜軒。本姓平氏。官職は安芸守。家系常陸平氏の宗族・大掾氏の傍流である真壁氏真壁久幹の子で常陸国真壁城主。異名鬼真壁
永禄年間に真壁氏当主となる。佐竹義重に早くから仕え、妹婿の梶原政景とともに対北条氏戦線の最前線に立つ。長さ2メートルもの木杖「樫木棒」を振り回して戦場を駆け抜け、その秀でた武勇から「鬼真壁」と渾名され、恐れられたという。佐竹氏の主要な合戦のほとんどに参加し、さらには文禄の役にも従軍して真壁筑波両郡に4,500石を与えられた。
霞流の使い手でもある。後に甥の真壁房幹家督を譲った。関ヶ原の戦い後は佐竹氏秋田移封には房幹を同道させて、自らは下館の常林寺に入って隠遁生活を送ったという。
剣術の師匠は塚原卜伝であると言われ、同門で同じ常陸出身の斎藤勝秀伝鬼房)と腕を競い合ったという。霞流棒術を創始した。】(ウィキペディアより)
 
 
 まあ絵にかいたようなローカル武将で、我が故郷熊本で言ったら木山弾正とか志岐隣泉に当たる(所領もそれくらい)人物です。つまり地元でもその人の故郷でないと御存じないレベル。
 
 が、三メートルにもわたる樫の棒を振り回す巨人で、マニア心をくすぐる人物であるのは確か。こういう味のある人物に眼を付けたのは流石といえます。
 
 しかし小説の構成力と文章力にやや難があるかも?(苦笑)素材はいいのに生かされてないような気もします。だいたい隠居してるはずなのに上杉方に入って最上攻めに参戦してるのには参った(爆)。
 
 これ史実じゃないでしょ?隠居とはいえ佐竹の被官の真壁氏が上杉に加担してたのがばれれば戦後佐竹家はお取り潰しだと思います。巨人だから目立つしね(苦笑)。佐竹がいくら心情的には西軍でもさすがにそれは許さないはず。
 
 車丹波は、そのために偽装追放で上杉に助力させたくらいですからね。
 
 しかしそのシーンが小説上では一番盛り上がってるというのも事実(爆)。というかそれがなかったら常陸・下野・上野時々陸奥で佐竹氏旗下で田舎合戦してただけの人だもんなあ(苦笑)。
 
 作者の作品を面白くするための脚色だと好意的に解釈しておきましょう(笑)。
 
 
 まあまあ面白かったですが、わざわざ買うほどの本でもなかったなあと反省。図書館で見つけたら読んでみるくらいでちょうど良かったかも?五段階評価で三くらい。
 
 
 
 
 
 
追伸:この作者には白石一郎の「鷹の羽の城」という小説を読ませたい。同じ無名武将(和仁人鬼親宗)を主人公にしながらとても面白かった記憶があります。こっちもそうとう脚色してたけど文章力でぐいぐい引き込まれたものでした(笑)。
 
 修業が足らんぞ!(爆)