鳳山雑記帳はてなブログ

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書評 「戦闘技術の歴史」 クリステル・ヨルゲンセン他著

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 主に欧州戦史がメイン(他に中東とインドまで)ですが、戦術はもとより部隊の運用、兵器、陣形まで解説した良書です。現在、「古代編」「中世編」「近世編」まで出ています。「ナポレオン戦争編」「東洋編」は近日刊行予定。
 
 値段が少々高いのが玉に傷(4500円+税)ですが、欧州の主要戦闘の布陣図、戦闘経過図がカラーイラストで紹介してあり、戦史、西洋史、軍事に興味がある人にはバイブル的存在になるはず。
 
 私も欧米刊行、日本語訳の戦史関係本はかなり読みこんだ方ですがこのシリーズほど詳しく分かりやすいものは他に記憶がありません。
 
 一冊1万以上する本よりこちらがお勧めです。でも全シリーズを揃えると4500円×5冊で22500円なので当たり前かもしれませんが(苦笑)。
 
 この近世編では、オランダ独立戦争グスタフ・アドルフと30年戦争、ルイ14世、フリードリヒ大王の諸戦闘がメインですので、この時代に興味がある方は読まれたほうがいいかも?
 
 私の一押しは、ヴォーバンによる稜堡式城郭の防御戦術と、その攻略法が詳しく記されてるところです。類書でここまで詳しく解説した本はありません。
 
 あと、ガレー船、ガレアス船、ガレオン船それぞれの特色に関する記事も興味深く面白いものでした。
 
 ともかく値段以上の価値があるのは間違いありません!