- 映画紹介より -
ロシアの文豪トルストイの不朽の名作「戦争と平和」を当時のハリウッドのオールスターキャストで描いた大作です。学生時代に読んだ原作は分厚い文庫本4冊で2000ページ以上ありました。悪戦苦闘しながら1週間で読み終えた記憶があります。
よく3時間で纏めたなと感心しますが、やっぱり長かった!この映画はアウステルリッツ会戦から始まりロシア遠征へと続くナポレオン戦争を背景にしてますが、戦闘描写が凄いんです。
さすがハリウッドというくらい、人・人・人です。特にフランス騎兵の突撃シーンは見ごたえあります。無理やり狩り集められて士気の低いロシア兵が守る砲兵陣地を、巧みな馬術で乗り越え蹂躙する場面は圧巻です。そのあとフランス歩兵が続くのですが斉射して一列横隊で整然と進撃します。
精強なフランス軍と寄せ集めのロシア軍の対比が面白かったです。
歴史上の人物の配役も絶妙で、ナポレオン役の俳優や、ロシア軍の総司令官クツゥーゾフ役の俳優の演技がすばらしく映画の世界にぐんぐん引き込まれました。
あらすじは知っているので、もっぱら私はロシアとフランスの戦いの場面を中心に見てました。ナポレオンのロシア遠征、ボロディノの会戦で両者痛みわけになったあと、クツゥーゾフはモスクワ放棄を決断します。
幕僚の「聖都をあけ渡すんですか?」という声に、苦虫を噛み潰した顔で「私は勝利する事だけを考えている」とクツゥーゾフが言った場面は深く印象に残っています。
颯爽とモスクワに乗り込んだナポレオンでしたが、ロシア軍の焦土戦術で食料も人もいないもぬけの殻の状態に苛立ちます。「まだ降伏の密使はこないのか?」と周囲に当り散らしますがもとより来るはずもありません。
冬将軍の到来を前に、ついに撤退を決意するナポレオン。あれほど精強だったフランス軍はモスクワで略奪暴行の限りを尽くし軍紀が乱れきっていました。そこに襲い掛かるコサック騎兵。
道はぬかるみ、落伍者が次々とでます。そして恐れていた冬将軍の到来!長い橋を渡って撤退しようとするフランス軍。しかしそこには、ここを最後の決戦場としていたクツゥーゾフ率いるロシア軍の主力が待ち構えていました。
丘陵地帯に陣どられたロシア軍の火砲が次々と火を噴きます。大混乱におちいるフランス軍。反撃する余力もなくひたすら橋を渡りきることだけを考えていました。しかしその橋にも砲弾が落下し始めます。
橋の向こうでは軍旗を焼くナポレオン。無言で馬車に乗り込む姿が、敗戦の無念さをよく表していました。ロシア軍の突撃に敗残のフランス兵が次々と討たれていきます。
久々に見た超大作でした。3時間の長丁場でしたが大満足です。これを見たらランペルールがまたやりたくなってきました(笑)。