鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

高密度EFP

 今回の内容は非常にマニアックなので国防・軍事に関心のない方はスルーしてください。

 高密度EFPというのはEFP(自己鍛造弾)を並列・積層に配置し、一つの爆発で多数の高速金属弾を形成して、上陸部隊や軽装甲目標を面制圧する新型の誘導弾用弾頭技術です。(AI解説より)

 その前にEFP(自己鍛造弾)の説明が必要ですね。EFPというのは成形炸薬弾(HEAT)の一種で、同じくモンロー/ノイマン効果を利用しています。成形炸薬弾は円筒状の砲弾の先端部を漏斗状にへこませそこに金属板(ライナー)を装着しています。砲弾が命中すると漏斗状のライナーの反対側から起爆し発生した爆轟波でライナーは動的超高圧になり崩壊します。これをユゴニオ弾性限界と言いますが、これにより漏斗中心部に超高速噴流(メタルジェット)が発生し敵の装甲を貫きます。一種の化学エネルギー弾です。

 自己鍛造弾と成形炸薬弾の違いは、爆轟波でユゴニオ弾性限界を起こすまでは一緒ですが金属ライナーがそのまま飛び出し爆轟波の進行方向に沿って絞り込まれれるように変形し圧力から解放されたライナーは弾丸状の形状のまま目標に激突します。自己鍛造が完成する時間はわずか400マイクロ秒で弾頭は秒速2000mから3000mにも達するそうです。これは一般的な砲弾の3〜4倍の速度で、保有する運動エネルギーは9〜16倍にのぼり、強力な貫通力を発揮します(ウィキペデイアより)。

 素人(私も含む)にはチンプンカンプンですが、成形炸薬弾の知識があれば何とか理解できるレベルです。そしてやっと本題ですが、EFPはそれが一方向にしか働かないのに対し、高密度EFPは自己鍛造弾が広範囲に飛散し面を制圧できるということみたいです。

 ただ、親爆弾から多数の子爆弾が飛散するクラスター弾よりは威力が低く、しかも戦車などの重装甲の車両にもあまり効果がありません。APC(装甲兵員輸送車)やIFV(歩兵戦闘車)のように装甲が比較的薄い車両には威力がありますが。当然、広く散開する歩兵部隊への威力もクラスター弾よりは劣ります。ただクラスター弾は不発弾が発生して危険なのに対し高密度EFPはそれがないのがメリットです。綺麗事でクラスター弾禁止条約に加盟した日本政府の罪は重いですね。

 実は自衛隊が敵基地攻撃能力と切り札として開発中の島嶼防衛用高速滑空弾の弾頭に高密度EFPを採用するかもしれないという話があるのです。私は一応賛成ですが、高密度EFPだけでなくタンデムHEATなど複数の弾頭を採用し用途によって使い分けるべきだと考えます。

 皆さんは島嶼防衛用高速滑空弾の弾頭に高密度EFPを採用するという話、どのような感想を持たれましたか?

 

追伸:

 あくまで素人考えなので間違っていたら軍事知識のある方に訂正してほしいんですが、成形炸薬弾と自己鍛造弾の違いは金属ライナーの形状かなと思うんですよ。漏斗状だったらその先端(一番底)に爆轟波のエネルギーが集中してメタルジェットが発生しますが、メタリジェットが発生しないような緩やかな半球状だったらライナーそのものが飛び出して自己鍛造するのではないかと。

 ちなみに自己鍛造弾の技術はハヤブサ2が小惑星から岩石サンプルを採取した時にも使われたそうで、軍事と民生品の境界線は無くなっているんだなと思いました。