鳳山雑記帳はてなブログ

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これからはE-7の時代になると思っていたらそうでもないみたいですね。

“皿なしレーダー機”購入をNATOが白紙化! 一体どんな理由が? 代わる案はあるのか!?


 E-7ウェッジテイルはアメリボーイング社が開発した早期警戒管制機(AEW&C)です。同じ早期警戒管制機にはAWACSがありますが、両者の違いはAEW&Cの方が管制能力がより限定的というだけです。どちらも早期警戒と航空管制をすることには変わりありません。

 実は米空軍はこれまでのE-3セントリーAWACSの後継としてこのE-7を選定し、これからはE-7の時代になると言われていました。ところが2025年6月国防総省は突如E-7の調達中止を決め今後はABMS(先端戦闘管理システム)に基づく空中管制機を含む多様な装備・システムを統合・連携させる計画へと方針転換しました。

 この動きを受けNATO諸国でも次々とE-7採用計画を中止します。というのもアメリカ軍が正式に採用しない機体を保有しても、今後のアップデートが期待できないからです。欧州各国はE-3の後継機種としてスウェーデン製のサーブ グローバルアイAEW&Cの採用を次々と決めています。

 では各機の能力はどれくらいなのか調べてみました。西側のグローバルスタンダードであるE-3、これには同じレーダーシステムを搭載している日本のE-767にも共通しているのですが、ネットで調べてみると最大探知距離400㎞以上と出ました。これは軍事機密でしょうからはっきりとした数字は分かりませんが、一般には500㎞前後だろうと言われています。ただしE-3の強みは600の目標を探知しそのうち200目標を追尾できることです。おそらくAEW&Cにはこれほど能力は無いと言われています。

 一方、E-7の最大探知距離は600㎞でE-3より勝っています。E-3ほどの追尾能力は無いでしょうから一長一短です。これに対しグローバルアイは最大探知距離400㎞ですが、E-7より安価で導入できるという強みがあります。ちなみに、ロシアのA-50は最大探知距離650㎞だそうです。

 それぞれ各国の事情に合わせて早期警戒管制機を導入しているのでしょう。となると米軍採用を見越してE-7を採用したトルコと韓国が涙目ですよね。イギリスは一旦E-7の採用を検討したもののNATO諸国と同じくグローバルアイになりそうです。日本も一時E-7の導入を検討しましたが、結局早期警戒機のE-2Dアドバンスドホークアイに決定しました。こちらは探知距離555㎞だそうです。あとC-2輸送機をベースにした早期警戒(管制)機を計画しており、こちらはアメリカのABMS計画でできた新たなAWACSのレーダーシステムを搭載するかもしれません。あるいは日本独自のものを搭載するという話もあります。