4月22日に起こったインド領カシミール地方で起こったテロ事件。これに端を発し実行犯のイスラム教テロ組織の背後にパキスタン政府がいるのではないかとインド側は非難、小競り合いを発端とし両者の間に戦闘が起こりました。その一環として空中戦も行われパキスタンは最新のフランス製ラファール3機を含むインド軍戦闘機5機を撃墜したと発表します。
第一報が入った時はにわかに信じられなかったのですが、その後フランス、アメリカも認めたためラファール戦闘機が撃墜されたのは事実なのでしょう。ただし3機ではなく1機、多く見積もっても2機らしいです。当時数十機単位の大空中戦が行われていた模様でこうなると本格的な戦争ですね。インド空軍がパキスタン領内のイスラム教過激派拠点を空爆しようとし、それを阻止しようとしたパキスタン空軍と戦闘になったと言われます。
パキスタン空軍のJ10Cは機体としての能力は大したことありませんが、使用しているシナ製の長距離空対空ミサイルPL-15の能力が高いそうです。調べてみるとPL-15は最大射程200㎞以上、一説では300㎞あると言われます。ただしパキスタン空軍が使用しているPL-15は輸出バージョンで射程145㎞に制限されています。
AIM-120AMRAAMや日本のAAM-4Bと同じARH(アクティブレーダーホーミング)ミサイルです。ARHとは言わば撃ちっぱなしのミサイルで、最初に機体本体のレーダーで敵機を捕捉して発射すれば、あとはミサイルに組み込まれたレーダーが勝手に追尾し命中するというもの。しかもPL-15は日本のAAM-4Bと同様シーカーにAESA(アクティブフェーズドアレイ)ヘッドを搭載し、より広範囲を索敵できます。
その上、AAM-4Bは未公表ながら推測では射程160㎞前後だと言われますから、PL-15の最大射程300㎞というのはかなりの脅威です。アメリカ軍が使用するAIM-120AMRAAMは最新のD型で最大射程180㎞ですから、アメリカにとってもPL-15は侮れないでしょう。
インド空軍は早期警戒機IL-76TDファルコン(輸送機IL-76にイスラエル製のファルコン早期警戒管制システムを搭載したもの)を保有していたはずですが、西側諸国のようにAWACS(早期警戒管制機)の管制のもと空戦をしていたのではないのかもしれません。インド空軍は多種多様な戦闘機を使用しているので機体間のデータリンク体制もできていない可能性があります。
一方パキスタン空軍はスウェーデン製のサーブ2000エリアイという早期警戒機を6機保有していると言われ、その能力の差かもしれません。ただこちらもエリアイとシナ製J-10Cのデータリンクができているとは思われず、どちらも丸腰のまま空中戦に突入したとすれば、乱戦の中ラファールが撃墜されたのはあり得ます。
とは言えシナ製PL-15ミサイルが西側戦闘機を撃墜したという事実は消えず、台湾有事に日本が巻き込まれた場合脅威になることは間違いありません。日本の場合は西側標準のAWACSの空中管制のもと戦うし、F-35は敵のレーダー索敵範囲も見えるくらい高性能ですからシナの戦闘機に後れを取ることは無いと信じたいです。
日本ではこういう軍事系ニュースはほとんど報じられませんが、日本の安全保障にも直結しているので一人でも多くの日本人に関心を持ってもらいたいですね。