鳳山雑記帳はてなブログ

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米陸軍の次期主力小銃SIGSAUER XM7の懸念点

 米陸軍は、現在主力のコルトM4カービンに代わる次期小銃(アサルトライフル)として2022年SIGSAUER社のXM7を採用しました。分隊支援火器である軽機関銃もこれまでのFN M249(アメリカで国産化されたMINIMI)に代わる軽機関銃として同じくSIGSAUER社のXM250を採用します。

 正式化後はXが取れてそれぞれM7、M250となると思いますが、2023年後半に初納入されるそうですからすでに更新した部隊もあるでしょう。歩兵の主力アサルトライフル分隊支援火器は共通の弾丸を使用します。XM7、XM250はこれまでの5.56×45㎜NATO弾ではなく、新たに6.8×51㎜(.277FURY)弾を使用しました。

 アメリカ軍が何度もテストして採用したのですから性能的には申し分ないと思います。このあたり銃器の素人なんで断言はできませんが、まあそうなんでしょう。米陸軍はこれまでの5.56㎜NATO弾に威力不足を感じておりより威力の高い.277FURY弾を採用したそうです。ちなみに、.277FURY弾は7.62×51㎜NATO弾より初速が速いそうで、将来的には陸軍だけでなく海兵隊も採用する予定です。

 こんな銃に懸念点などないと思われるでしょうが、実は西側諸国に大きな問題が将来発生するのです。特に日本は死活問題になるかもしれません。日本の陸上自衛隊89式小銃に代わるものとして20式小銃を採用しました。これも銃器オタはいろいろ批判していますが、まあまあ世界標準の優れた銃だという評価が多いです。

 しかし20式小銃は5.56㎜NATO弾を使用しています。しかも日本政府はケチなので調達予定の15万挺が揃うのは15年後とも30年後とも言われます。その時、アメリカは完全にM7、M250に切り替わっているはずで日米で弾薬の共通性が無くなります。これでは有事の際継戦能力に難がある日本は決定的に不利です。

 まあ、その前に有事が起こるから5.56㎜NATO弾で間に合うとは思いますが。NATO諸国も頭を抱えているかもしれません。イギリスも2022年5.56㎜NATO弾使用のKAC KS-1を採用したばかりですからね。

 せっかく20式小銃を採用したのに調達が終わる前に一気に旧式化しそうで怖いです。7.62㎜NATO弾の反動が強すぎるからと64式小銃で弱装弾を採用したくらいですから、6.8㎜弾で反動はどうなんでしょうか?日本人の体格に合うのか?昔の三八式小銃用の三八式実包が6.5×51㎜なんで大丈夫なのか?いろいろ疑問が湧きます。

 防衛省や政府関係者はアメリカとの共通弾丸問題をどう考えているんでしょうかね?弾丸が違うと有事の際の弾丸の融通もできませんよ。国防を真剣に考えてほしいと強く願います。