鳳山雑記帳はてなブログ

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ロシアに現代戦を戦う資格はない

兵站の専門家だったロシア軍の補給担当が苦戦の責任を取らされて解任、後任には素人が任命された模様


 我々ウクライナの勝利、ロシアの弱体化を願う者としては喜ばしいニュースなんですが、そもそも十分な兵站も準備せず侵略戦争を始めたプーチン政権そのものの責任だと思いますよ。希望的観測で攻め込んだくせに、ちょっと不利になると補給責任者に劣勢のすべての責任を押し付け解任するなどあり得ません。しかも後任は専門知識が薄い素人だそうですから、これでどうやったら勝てるのか私が教えて欲しいくらい。

 別にロシアの肩をもつわけではありまりませんが、本当にウクライナに戦争を仕掛け勝つつもりなら20万以下の兵力で攻め込むなどあり得ません。そのくらいの戦力なら最初からドンバスだけを目標にして他に手を広げるのは愚策でした。占領政策も大間違い。占領を維持する気なら住民を敵に回したら絶対に駄目なのに、略奪暴行強姦殺人と暴虐の限りを尽くし怒ったウクライナの住民はパルチザンを組織して後方で破壊活動を始めました。それを取り締まる兵力もないんですから一体何をしたかったのか?ロシアの民度の低さと言ってしまえばそれまでなんでしょうが…。

 まずウクライナを舐めすぎていたというのが間違いの最初だったんでしょうね。ロシアは財政難から大規模の部隊運用はできない。だから動かしやすいBTG(大隊戦術グループ)中心の編制にしたところ、かえって補給の負担が増え現在進行形で困っています。馬鹿としか言いようがない。近代軍隊が師団編制、最近では旅団編制中心なのは兵站維持が最優先事項という意味もあると思います。本国と遠征先の補給拠点との補給線維持は当然ながら、補給拠点から各部隊への補給線も数が増えれば増えるほど負担が増します。ロシア軍が苦しんでいるのはまさにこれ。ウクライナ軍は巧妙にもロシア軍の前線部隊よりこの補給線をHIMARSなどで叩く戦術を採用しているから尚更です。

 ただでさえ苦しいロシア軍の兵站が今回の解任劇でさらに悪化するのは目に見えています。その上プーチンは30万人の部分動員(実際は120万人動員を計画していると言われる)で戦場にろくに訓練もしない徴集兵を送り込むでしょうから、補給面では絶望的になるのではないかと考えます。

 ネット上で、徴集された兵士がモシン・ナガンを装備していたのを見てロシア軍の兵器不足を指摘している動画がありましたが私は若干疑問を持っています。M1891モシン・ナガンは第2次大戦まで主力だったボルトアクションライフルですが、動画の兵士の銃にはスコープがついていたことからスナイパー部隊の可能性も捨てきれないと思いました。ただロシア陸軍の現用スナイパーライフルではないのでその点は疑問ですが…。

 それよりも別の動画で徴集された兵士がもっていたAK-47の方が酷い。現用のAK-12やひとつ前のAK-74が不足しているのは分かるんですが、AK-47は東側世界のベストセラーとも言うべきアサルトライフルでロシアにも大量にストックがあっておかしくはありません。しかし動画のAK-47は銃身が錆び付いていてほとんどメンテナンスをしていないのでは?と驚きました。オイルをさして手入れすれば撃てるのかもしれませんが、あまりにも管理が杜撰でこの分では戦車などもモスボールとかしていなくて倉庫に放置だったのかもしれません。

 ロシアはアフガン戦争で兵站に苦しんだはずなのに全く学んでいませんね。現代戦の根幹は情報と兵站。そのどちらもロシア軍はウクライナ軍に比べ劣っているように見えます。ウクライナクリミア半島をロシアに奪われた後反省し欧米から軍事技術、戦術を学んだそうですからここにきてその成果が出てきているという事かもしれません。

 皆さんはロシア軍の兵站、どのような感想を持たれますか?