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シナ三隻目の空母福建進水、電磁カタパルト搭載と言うが本当かね?

【軍事】中国、3隻目の空母「福建」進水 電磁カタパルト搭載


 2022年6月17日シナ人民解放軍海軍3隻目の空母である福建が進水しました。就役は2024年予定。これまでのスキージャンプ台ではなく電磁カタパルトを搭載した本格空母だと言われます。今までの遼寧山東はスキージャンプ台だったので搭載する戦闘機(J-15)は空対空ミサイルくらいしか積めず重い空対艦ミサイルを搭載したままの発艦は困難だと言われました。それほどの脅威ではないという評価です。ところが電磁カタパルトなら重武装のまま発艦できるので本格的な対艦作戦、対地作戦が実行できます。あくまでシナの発表を額面通り受け取った場合の話ですが。

 私が疑問に思うのは、本当に福建の電磁カタパルトに米原子力空母の蒸気カタパルトに匹敵する能力があるのかという点。米空母の蒸気カタパルトは35トンの機体をわずか2秒で296㎞/hまで加速させることが出来ます。そのエネルギーは膨大で蒸気を無限に得られる原子力空母でないと不可能なものです。その技術はアメリカだけがもっており製造整備も含めて他国の追随を許しません。フランスも原子力空母を建造するときアメリカから蒸気カタパルトのライセンスを買ったくらいです。

 蒸気カタパルトは膨大なエネルギーを生み出しますが、原子力空母じゃないと搭載できないしエネルギー効率も悪いのでアメリカはイギリスと共同し電磁カタパルトを開発しました。これはリニアモーターの力で射出するシステムです。ところが素人考えでも分かる通り莫大な電力を必要とします。

 一説では36トンの物体を180ノット(約333km/h)に加速するには157メガジュール必要だと言われます。あまりにも大きすぎるのでピンとこないかもしれませんが、一般家庭が一日に使用する電力の3472世帯分に匹敵するそうです。それだけのエネルギーを原子力機関じゃない普通の蒸気タービンやディーゼルエレクトリックで作り出せるのか甚だ疑問です。原子力機関なら原子炉を動かしそこで得られた熱エネルギーでボイラーの水蒸気を沸騰させ蒸気タービンで運動エネルギーに変えるものですから、その蒸気で発電機を回したら電気も作り出せます。

 通常動力でどうやったら電力を持ってくるのでしょうか?加えてアメリカで現在電磁カタパルトを採用しているのは最新のジェラルド・R・フォードだけですが不具合が発生し次の空母では蒸気カタパルトに戻すのでは?と言われているほどです。シナの技術を侮ることは禁物ですが、常識的に考えてアメリカの電磁カタパルトほどの能力は無いと思います。これも未確認情報ですが、福建が電磁カタパルトを使用するとき、艦内の他の電力はすべて止まるとまで言われています。

 J-15の詳細は分かりませんが、元となったSu-33から類推すると最大8トンの搭載能力があります。空母運用時にはこれが6.5トンに下がるそうです。一方アメリカの現用主力艦載機F/A-18E/Fスーパーホーネットの搭載能力は8トン、次期主力のF-35Cも8トンです。STOVL(短距離離陸垂直着陸)のF-35Bですら6.8トン搭載能力があります。

 福建はJ-15を最大搭載(6.5トン)のまま発艦させることはできないような気がします。まだまだ情報が錯綜しているので注意深く見守る必要はありますが、日本の国防を真剣に考えるならシナの脅威に備える防衛体制を早急に整備すべきです。最近自民党の保守政治家やまともな野党の一部から原子力潜水艦保有の話が出ていますが、私も真剣に検討する必要があると思います。

 皆さんは福建の電磁カタパルトの能力、どう評価しますか?