鳳山雑記帳はてなブログ

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ロシアさん、問題はそこじゃない

ロシア軍が遂に過去の失敗から学習することに成功、補給部隊を本末転倒な使い方で当座を凌ぐ

 いや別に補給部隊は戦闘部隊と離れて良いでしょ?というか離れていなければ戦闘に巻き込まれて危険ですよ。補給部隊はできるだけ後方に離し、補給線を敵に攻撃されないように十分な護衛部隊をおいて守らせるべきです。ロシア軍苦戦の原因の一つはBTG(大隊戦術グループ)です。あまりにも多く投入しすぎたために兵站線が複雑化し、そこをウクライナ軍に衝かれて補給に苦しんでいるんでしょう。

 実働部隊はなるだけ分散した方が良いが、補給の面を考えるとあまりに分散しすぎるのも良くない。要はバランスで、アメリカのように旅団戦闘団くらいがベストなんだと思います。大隊レベルはちょっと分散しすぎ。上級司令部は隷下部隊を3つくらい持つのが一番指揮統制しやすいと言われます。現代は通信手段が高度化したから5つくらいまでは大丈夫だそうです。という事で米陸軍は最小戦略単位(独立して作戦行動できる単位)である師団の下に5個旅団戦闘団を有します。

 ロシアは世界の潮流に乗って師団単位を縮小しほとんど旅団が最小戦略単位になっています。そしてその下の実働部隊がBTGです。ウクライナには現在128個のBTGが入っていると言われますが、その128個部隊すべてに補給を行き渡らせること自体至難の業。兵站線というのは脆弱ですから、ウクライナ軍はそこを叩いています。

 超大国アメリカは、兵站線維持を最も重視する軍隊だとされますが、湾岸戦争でも丸々1個師団を補給拠点の構築、防衛にあたらせたくらいです。だからこそ砂漠の機甲部隊行軍という軍事常識では信じられない離れ業をやりました。一方、ロシア軍は兵站線を無視したキーウ(キエフ)包囲などおかしなことばかりやっています。ウクライナベラルーシの間にある欧州最大の湿地ポレシエ地方を抜けると本当に思ったんでしょうか?地面が凍結している冬季ならともかく、雪解けで泥濘になったら細い道路しか通れなくなります。

 日本のテレビでは、ロシア軍の車列が何キロにもわたって続いている画像を見て「ロシア軍総攻撃の準備か?」と宣っていた自称軍事専門家ばかりいましたが、あれは逆に補給に困っているのだと指摘した元自衛隊幹部の方がいましたね。どちらが正しかったかは言うまでもありません。

 そもそもロシア軍は、数日でウクライナを落とせると楽観視しすぎていたため兵站線も考慮せず戦争を始めたのだと思います。プーチンはあまりにも現代戦を知らなさすぎる。BTGもろくに装備を持たない反政府ゲリラには有効だったかもしれないが、正規軍相手の大規模戦闘には不向きだったと言えるでしょう。

 そして投入兵力が20万人と少なすぎる。おそらくほとんど戦闘部隊で補給部隊は少ないでしょうから補給に苦しむのは自明の理。兵站線が多すぎて守ることも難しい。

 ウクライナ軍は、よく善戦していると思いますよ。ロシア軍の兵站線を中心に攻撃するなど巧妙です。キーウはこれによって撃退したくらいですから。ただ今後は大平原の続くドンバス地方や南部のクリミア半島が主戦場になります。そこからロシア軍を叩き出すには戦車や火砲が要ります。欧米諸国がそれらを支援しているのが何よりの証拠。

 国際法違反の侵略者ロシアをウクライナ領土から叩き出すまで戦争は終わらないと思います。変なところで妥協し停戦したらロシアはいつかまた侵略してくるはず。ゼレンスキー大統領も承知しているでしょう。アフガニスタンのように大統領が真っ先に逃げ出していたらと思うと、恐ろしいですよね。

 日本もいい加減現実に目覚め武器援助くらいして良いと思いますがね。反対する勢力はテロリストですからスパイ防止法制定してどんどん逮捕処刑すべきです。台湾有事待ったなしですよ。少々話がずれてきたので本題に戻すと、ロシア軍は構造的に詰んでいるので補給部隊と戦闘部隊が離れないように慎重に行動しても成功はしないと思いますね。