最近、学研の歴史群像巻末で連載されている漫画、吉原昌弘 『戦場伝説/翼をもつ魔女』が気になっています。
さすが、朝日ソノラマ文庫。というか吉原さんの原作もこれではないかという気がしないでもありません。漫画で読んだエピソードがまんま載ってますもん(苦笑)。
ま、それはともかく写真はかなり美形に修正されてます(たぶん)。実物は海外サイト見たらそうでもなかった(爆)。ソ連の戦意高揚目的で散々宣伝されたため美女じゃなければいけなかったのでしょう、とまじレスしてみる。実物もあちらでは美人の部類に入るのかも?
この写真だと、若いころの一色紗英(知ってる?)みたいですもん。あっ今の彼女じゃないですよ。あくまで十代の時の話です!!!
とここまで書いてて気が付いたんですが、書評をまったくしていなかった!(反省)
【第二次大戦中のソ連軍において、女性のみで構成された飛行隊が存在した。第586戦闘機連隊、第587爆撃機連隊、第588夜間爆撃機連隊に所属し、壮絶極まるドイツ軍との戦闘に挑んだ彼女らは、いかに戦い、散っていったのか?「スターリングラードの白バラ」とあだ名された伝説の女性戦闘機エース、リディア・リトヴァクをはじめとする、空翔る“魔女”たちの数奇な運命を活写した航空戦記。 】(アマゾン 本紹介より)
リリーを初めとするまだ二十歳にも満たないうら若き乙女たちは、祖国の危機に飛行隊に志願し厳しい訓練を耐え抜き一人前のパイロットになります。
しかし理想と現実のはざまで悩み仲間も次々と散っていきました。リリーは愛機ヤコブレフYak-1を駆ってドイツ空軍のエースパイロットと互角に渡り合い、いつしか敵パイロットから魔女と恐れられる存在になります。
彼女たちも年頃の女性、恋もしました。ただそれは戦場の中、明日を知れぬ身の上、恋人たちは戦争が終わってから一緒になろうと誓い合いながらもプラトニックな関係を貫きました。
リリーにも将来を誓う恋人がいましたが飛行訓練中に事故死、彼女は以後それを忘れるように空の戦いに没頭していきます。このあたり彼女の悲痛な心情が伝わって鬼気迫る描写でした。
彼女の最期も衝撃的です。彼女の愛機、撃墜マークに白い薔薇を描くYak-1は死神のようにドイツ軍パイロットに忌み嫌われ、編隊をはぐれた彼女は8機以上のメッサーシュミットMe109(たぶんG型、ひょっとするとまだF型かも?)に襲いかかられました。
多勢に無勢、彼女は頭部に致命傷を受け戦死しました。一方死体が確認されなかったことから生存説もあり、撃墜後ドイツ軍の捕虜になり戦後スイスで結婚、晩年を過ごしたともいわれています。この話など、彼女に生きていて欲しいと思うファンの心理なんでしょうね。判官贔屓みたいなものか?
なかなか面白い本でした。ただ筆者の微妙な勘違いや間違った表記があり、訳者(日本人)が注で解説してはくれていますが記述に全幅の信頼を置く事はできません。