鳳山雑記帳はてなブログ

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書評 「傭兵の誇り」高部正樹著

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 少し前に読んだ本です。著者の高部正樹氏はアフガニスタンを初陣にビルマカレン族独立紛争、ボスニア内戦と実際に傭兵になって戦った本物です。
 
 よく外人部隊上りとか傭兵出身を売り物にしてテレビに出ている人(テレ○ス・リーとかね)がいますが、高部氏に言わせると本当の傭兵だったか嘘っぱちかは見ればすぐわかるそうです。まあテレなんとかさんは、傭兵という設定のコメディアンだから素人でも分かりますが(苦笑)。
 
 
 実はかなり以前から彼の本は読んでいてある程度知っていたつもりでしたが、今回改めて読みなおすと発見することが多くありました。
 
 彼に言わせると傭兵というものに対する世間のイメージは完全に間違いだそうです。
 
 ステレオタイプの傭兵は、「高い報酬を貰い戦争を優位に導くプロ戦闘集団」だと思いますが、実際は多くても月30万位、酷いケースでは無報酬で完全な持ち出し。むしろ金儲け目的なら傭兵は割に合わないそうです。
 
 ではなぜ傭兵になるかと言えば人それぞれで、自分の力を試したい者もいれば母国で犯罪を犯して帰るに帰れない者もいたりして千差万別だそうです。
 
 しかし、これだけは言えるのは一旦なったら雇用者にも仲間に対しても決して裏切らないのが傭兵だといいます。映画などで傭兵が裏切るシーンがありますがあれほど現実離れした設定はないそうです。
 
 本書は、高部氏実際の体験もとに書かれているため目をそむけたくなるような残酷シーンも多く一般の方にはお勧めできませんが、傭兵とはどういうものか実態を知ることができる貴重な本だと思います。
 
 特に実際に海外で命のやり取りをしてきた高部氏の、日本のぬるま湯に浸りきったマスゴミ人に対する痛烈な批判は一読の価値ありです。