

1973年運用開始されたグラマンF-14トムキャットは優れた空戦性能を示しますが、あまりにも高価になりすぎたため、米海軍は次期主力艦上戦闘機としてより安価で制空・要撃・対艦対地攻撃をこなすマルチロール機を求めます。
ところがノースロップ社は海軍機の実績がなかったことから、海軍は改めてマクダネル・ダグラス社と契約することとなります。契約上は艦上機のみだったはずですが、マクダネル・ダグラス社が地上機としても海外セールスしたことでノースロップ社と訴訟問題にまで発展しました。
マクダネル・ダグラス社は、陸上機だった機体に着艦用フックを装備し、主脚や胴体構造の強化アビオニクスの向上、エンジンの換装などで海軍の要求を満たす艦上機を誕生させます。(現在はマクダネル・ダグラスが1997年ボーイング社に吸収合併されているためボーイングが生産している)
さらにエンジン・アビオニクスを強化し、ある程度のステルス性能を持ち航続距離と搭載能力を向上させ再設計したもの(E/F型)はスーパーホーネットと呼ばれます。外見こそ似ているものの中身は別機ともいえるのでスーパーホーネットに関しては別の記事とします。
2001年のアフガン戦争では、ホーネットの航続距離が足らずF-14が爆装してボムキャットとして運用されるなど笑えない話もあるんですが、スーパーホーネットになって航続力が向上し、2006年F-14が退役したため現在ではこちらが主力です。
【性能諸元】
乗員
- A/C:1名
- B/D:2名
全長
- 17.07 m
全幅
- 11.43 m
全高
- 4.66 m
翼面積: 37.2m2 空虚重量
- A/B:12,973 kg
- C/D:10,810 kg
最大離陸重量
- A/B:21,888 kg
- C/D:23,542 kg
エンジン
- A/B:GE製 F404-GE-400 ターボファンエンジン2基
- C/D:GE製 F404-GE-402 2基
推力
- A/B:7,258 kgf × 2
- C/D:8,145 kgf × 2
最大速度
- A/B:M 1.7+
- C/D:M 1.8
航続距離
- 3,700km(フェリー)
- C/D:戦闘行動時 290海里(約537km)
実用上昇限度
- C/D:15240m
固定武装: M61 20mmバルカン砲 ×1