鳳山雑記帳はてなブログ

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87式自走高射機関砲はドローンにどれくらい使えるのか?

 高高度を飛ぶ戦闘機、音速の数倍で飛来するミサイルに対し従来の自走対空機関砲では通用しなくなり旧式化が進んでいました。日本でも87式自走高射機関砲の退役の話が出ていたほどです。

 ところが、ナゴルノカラバフ紛争、ウクライナ戦争、イラン戦争と最近の戦争ではドローンが全盛となり、高価な対空ミサイルで撃ち落とすのはあまりにも費用対効果が悪すぎるという事で対空機関砲が見直され始めています。ロシア製兵器を輸入している国々でもZSU-23-4シルカ自走対空機関砲の近代化改修に乗り出していますし、NATOでもついこの間イギリスがスウェーデンからトリドンMk2防空システムを導入したりと各国がドローン対策に乗り出してきています。

 87式が参考にしたというドイツのゲパルト自走対空砲も87式と同じく退役が決まっていましたが、ドローンに有効だと分かり今ではウクライナに供与されて大活躍しています。

 では日本の87式はどれくらい通用するのか調べてみました。87式はスイスのエリコン社製35㎜対空機関砲を2門装備しています。発射速度は1門に付き毎分550発ですから2門で毎分1100発発射できます。有効射程4㎞。自動射撃統制でデジタル・コンピュータにより、目標の発見・追尾から射撃までをリアルタイムで自動算出できます。照準装置もレーダー、光学照準器、レーザー測遠器、赤外線暗視装置を併用し高度な照準ができます。

 低速で飛ぶドローンなら容易に捕捉し撃破できるように素人目では見えます。シルカは旧式だったから近代化改修は必要だったでしょうが、87式ならいまのままでも通用しそうです。ただ問題はコストで1両あたり15億円と10式の9億円よりはるかに高いことです。もっとも10式戦車もドローン対策でトロフィーやアイアンフィストのようなアクティブ防護システムを搭載すると19億円にもなるそうですから、それほど問題ではないのかもしれません。

 87式は北海道の第2師団、第7師団と陸自高射学校の高射教導隊などにわずか52両しか配備されていないそうですから、もっと大量に調達し陸自の各師団に配るべきだと思います。もし旧式な部分があったら近代化改修も必須です。少なくとも台湾有事や半島有事で敵のドローン攻撃を受ける可能性のある西部方面隊には分厚く配備すべきでしょう。

 防衛省は自走多連装ロケットのMLRSも退役を決めていますが、ウクライナ戦争で活躍しているようにATACMSを搭載できるんですから残すべきだと個人的には思います。弾頭重量500ポンド(227㎏)、射程300㎞は魅力ですよ。まあ25式地対艦誘導弾が制式採用されたから要らないか?本来ならMLRSはクラスター弾を使って面制圧するのが役割ですからね。返す返すも綺麗ごとに終始し日本がクラスター弾禁止条約に参加したのは悪手でしたよ。敵上陸部隊にお見舞いするにはクラスター弾がベストなんですけどね。アメリカもウクライナも条約に参加していないから、MLRSやHIMARSでクラスター弾を発射してロシアの侵略を防いでいるんですから。

 87式はサスがへたってきた74式戦車の車体ではなく90式などの車体に載せ替えるべきかもしれません。あるいはトラック車載でも良いかも。これは重量の問題もありますから軽量化はすべきでしょうね。トリドルMk2がトラック車載ですから日本もこの方式で良いと思うんですよ。

 

 

追伸:

 確か陸自が採用したパトリアAMVにも対空機関砲タイプがありましたよね。ドローン相手程度ならこれで十分かもしれません。せっかく1000両近く導入するんですから、対空機関砲タイプも200両くらい追加採用しても良いと思うんですよ。87式よりはコスト的に安いでしょうから。

 あくまで素人考えですが、高射特科に所属させるのではなく各普通科連隊に昔の歩兵砲みたいな感覚で8~12両くらい配備して歩兵直協させれば良いと考えています。戦車車体タイプは戦車連隊に配備するでしょうから。

 まずは有事に真っ先に出動するであろう西部方面隊第8師団隷下の第42即応機動連隊に最優先で配備してほしいですね。