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飯山陽さんが語るスーダン在留邦人脱出の可能性

 飯山陽(あかり)さんと言えば、イスラム思想研究者でアラビア語にも堪能な中東専門家です。独特な話し方ですから苦手な方もいると思いますが、私はざっくばらんな話し方が好きなので飯山さんも信頼しています。地上波に出ている自称中東専門家と違って、アラビア語に堪能、実際エジプトに住んでいたこともあり中東に友人知人も多いそうです。その彼女が自身のYOUTUBE番組でスーダンで起こっている内戦で脱出困難になっている在留邦人の救出方法に関して考察されていました。

 日本ではほとんど報じられませんが、スーダン内戦の発端は2021年に起こった軍事クーデターだったそうです。それまでの独裁政権を倒した軍部は暫定政権を続けながら民政移管を約束。ところが軍の再編問題などを巡って軍部と準軍事組織RSFが対立、権力争いが激化した結果内戦が起こったと言われます。私は全くこの地域に詳しくないのであくまでネット上の情報です。

 スーダンの首都ハルツームは両軍が重要拠点を巡って激しく戦っており、すでに500人以上の死者が出ていると言われます。在留外国人の生命も危険に晒されており、アメリカ大使館の車列までが銃撃されたそうです。スーダンには外務省関係者、JICA(国際協力機構)関係者など60名が取り残されています。日本政府も邦人救出をするためジブチに輸送機を派遣しました。

 ところがハルツーム国際空港も両軍の争奪の的となっており外国人が脱出するのは無理です。スーダンに2万人弱いると言われるアメリカ人を救出するため、米軍は出動態勢に入っていると言われます。アフリカを担当するのは米欧州軍だそうです。すでにジブチに輸送機を派遣したほか、近隣諸国(機密のため具体名は未公表)に部隊展開しています。おそらくMEU(海兵遠征部隊 大隊規模)かMEB(海兵遠征旅団)くらいは用意していると思います。2万人の脱出はかなりの規模なので、空路だけでの脱出は困難でしょう。具体的作戦計画は分かりませんが、紅海沿岸のポートスーダンから海路脱出させる計画だとも言われます。

 とは言え首都ハルツームからポートスーダンまで直線距離で500㎞、米大使館の車列まで銃撃されたようですから非常に困難な作戦であることは明らか。米軍と現地軍の戦闘すら発生しかねません。日本政府はどのような脱出計画を練っているのでしょうか?

 飯山陽さんは、内戦中エジプト軍兵士(おそらく軍事顧問団)がRSFに拘束された事件を紹介されていました。RSFはエジプトの介入を恐れエジプト兵を開放しました。解放された兵士はナイル川を挟んでハルツームの対岸(ナイル川西岸)、下流に20㎞下ったワーディサイードナー空軍基地から飛行機で脱出したそうです。ここは国軍が維持しているそうで、邦人が脱出できるとしたらここしかないと指摘しています。

 ただ一時的にせよ停戦にならなければそもそも物理的に脱出は不可能だそうで、ちょうどいまラマダン(イスラム教の断食月)明けのお祭りがあるそうで最大のチャンスだそうです。日本政府はこの数少ないチャンスを生かしきれるかどうか?海外で活躍する日本人の命を守るのも日本政府の役目。何とか無事救出してほしいですね。