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スーダン内戦、準軍事組織RSFにワグネルが軍事援助している可能性

 日本ではほとんど報じられませんが、中東や世界ではスーダン内戦が一番ホットなニュースで連日報道されているそうです。スーダンと言えば人口4800万人でアフリカ大陸ではアルジェリアコンゴに次ぐ三番目の面積を誇る大国です。南スーダンが分離独立する前は人口6000万人近い大きな国でした。イスラム教を信仰するアラブ系住民が多いスーダンに対し、南スーダンキリスト教徒や現地宗教の信者が多く長らく南北対立が続いていました。スーダン政府は南スーダンの住民を弾圧し続け50年に渡る長き内戦の末2011年ようやく独立します。

 日本も南スーダン自衛隊PKOで派遣し道路建設などを行っていたので無関係ではありません。南スーダンは天然資源が豊富で石油も取れるため発展する可能性はありますが、内戦でぼろぼろになりかなりの数の難民が出ているので国家再建は難しいのが現状です。南スーダンを独立で失ったスーダンも打撃は大きいと思います。

 長らく続いていたバシール独裁政権は、南スーダンの分離独立とその後の経済苦境により国民の支持を失います。軍部は2019年クーデターを起こしバシール政権を倒しました。軍部は軍政を布きますが、このままでは国際関係が悪くなるので民政移管を約束し現在に至っています。

 バシール政権は国際的に評判が悪く、湾岸戦争時はイラクサダム・フセインを支持、オサマ・ビンラディン率いる国際テロ組織アルカイダも援助していたためアメリカからテロ支援国家指定を受けます。経済制裁を受けたばかりか、ビンラディンを匿ったという疑いで米軍からミサイル攻撃すら受けています。ロシアやシナも援助していたため、完全にあちら側の国でした。軍政移行後もその関係は変わっていなかったと思います。

 一方、準軍事組織RSFとは何なんでしょうか?調べてみるとイランの革命防衛隊と同様の第2の軍隊だそうです。独裁政権にありがちですが、軍部がクーデターを起こすのを警戒し政権を守るために組織されたそうです。総兵力10万人で、スーダン国軍が十数万人ですからほとんど同規模です。国軍と同じく戦車などの重火器を保有しなんと航空機(おそらくヘリ。さすがに戦闘機はなさそう)まで持っているそうです。

 似たような力を持っている組織ですから対立するのは当然で、民政移管に合わせて両軍を再編成して統合、RSFは解隊の方向に向かうという話に反発したのが今回の内戦のきっかけだったとも言われます。スーダンの首都ハルツームは両軍が重要拠点を巡って激しく戦闘を行い一般市民の犠牲者も数多く出ています。特にRSFは外国人を嫌い銃撃を加えているそうです。

 ここにきて、RSFにロシアの民間軍事会社ワグネルが秘かに軍事援助しているのではないかという報道がCNNから出てきました。CNNによるとワグネルは地対空ミサイルを供給しているそうです。スーダン軍はロシアの友好国で数多くの兵器を輸入しています。空軍の主力戦闘機もMiG-29だし、MiG-23、MiG-21、Su-24、Su-25保有しています。他にもシナ製のJ-6、J-7戦闘機やQ-5攻撃機を持っているそうです。陸軍の戦車はロシア製のT-72T-62ではなくシナ製の96式戦車が主力のようです。他にもシナ製の59式戦車や62式軽戦車なども持っています。96式戦車は輸出型とは言え戦後第2.5世代戦車で複合装甲ももっているためロシア製のT-72よりは強いかもしれませんね。

 おそらくRSFも同じような兵器をロシアやシナから購入しているはずで、ロシアとしてはスーダン国軍、RSFどちらかに肩入れはできないと思うんですよ。これはシナも同様。ところがワグネルはRSFに軍事援助しています。国際的見方としては、ワグネルはスーダンの金鉱利権を狙っているのでは?と言われています。ワグネルは民間軍事会社なので利益優先です。ウクライナ戦争に参戦したのも世界最大のドネツ炭田の利権を狙っていたのではと言われているくらいです。実際スーダンではすでにワグネルが入り込んで金の採掘に従事しているという話もあります。

 ここからは私の穿った見方ですが、ワグネルの総帥プリゴジンプーチン後のロシアの政権を狙っているのではと思うんですよ。泥沼のウクライナ戦争からは早急に手を引き、スーダンの金鉱を支配し経済力をつける。そのためにRSFを焚きつけて内戦を起こさせ自分は金鉱の利権を独占することを狙っているのではと考えます。スーダンと友好関係にあるロシアに対しても裏切り行為ですよ。となるとスーダン内戦は当分収まりそうもなさそうです。

 今回のスーダン内戦、いろいろ裏がありそうですね。