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太平洋を渡った縄文人

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 山本茂著「新版歴史毒本」は、最高に面白いです。歴史の裏話満載で、686円+税以上の価値があります。ブログのネタも当分安心(爆)というすばらしい本です。

 ところで、皆さんは縄文時代ってどんな印象がありますか?狩猟採取中心の生活で、不安定なため人口が少なく、大人口を養える稲作をもたらした弥生人に駆逐されて終わったというイメージがありませんか?
 ところが、この本によると縄文人たちは驚くべき航海術を持ち、太平洋を渡って遠く南アメリカまで到達していたそうなんです。私も昔、そんな事を書いてあった本を読んだ記憶があるのですが、にわかには信じられない話ですよね。

 1960年代、フランスの考古学者ジョゼ・ガランジェ博士が南太平洋メラネシアバヌアツ共和国エファテ島の遺跡から発掘した土器片40点を分析したところ、バヌアツのは存在しない鉱物添加物をふくみ、なんとそれが三内丸山遺跡で発掘された土器と同じ成分だったというから驚きます。
 博士はこれを縄文土器に間違いないと結論付けたそうです。オックスフォード大学で年代測定したところ5000年前の作品と判定されました。
 また、仏領ポリネシアのマンガイア島の遺跡でも、カヌーに納棺された多数の人骨を京都大学の片山一道教授が骨格測定したそうですが、縄文人特有の抜歯の跡があり、縄文人と共通の先祖を持つ人々だと結論づけています。
 パプアニューギニアのキリウィナ島の人々は「我々の先祖は日本からやってきた」という伝承を持っているそうです。
 そして極めつけが1970年、エクアドルのバルディビア遺跡で発見された土器です。紀元前3200年ごろ作られたと推定されるその土器には、縄で文様がつけられていました。同時代の周辺の遺跡から見つかった土器とは明らかに異質なそれは、中期縄文時代の九州有明海沿岸の土器に酷似していたそうです。これだけだと偶然の一致と言われそうですが、チリ西岸チロエ島の島民のDNAが日本人と極めて近いという事実をみたら反論できないでしょう。

 歴史の常識が覆るような話ですが、もしかしたら歴史教科書の縄文時代の記述が変わるかもしれないのです。日本の頭の固い学者はなかなか認めたがらないでしょうが。原始的な航海術でも、島伝いに行けば南米までいけるそうです。縄文時代とは、古代大航海時代だったかもしれませんね。