鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

兵器に関する超マニアックな話

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 最初にお断りします。これから紹介する話は、マニアックすぎて一般の方にはチンプンカンプンです。ミリタリーファンの方か戦略シミュレーションゲームファンの方以外はスルーしてください(笑)。

 阿部隆史氏といえば、「鋼鉄の騎士」「太平洋戦記」「激闘ソロモン海戦史」などを手がけた泣く子も黙る戦略シミュレーションゲームのデザイナーですが、彼が社長を務めるジェネラルサポートのホームページを訪問して、「う~ん」と唸らせる文章を見つけました。

 ニューギニアのホーランジャを阿部氏が訪れたとき、海岸に打ち捨てられた米軍のM4シャーマン戦車の残骸を発見したそうです。一般の旅行者なら「ああ、ここでも戦争があったんだなあ。」と感慨深くなるだけですが、阿部氏は違いました。
 砲塔前面の貫通痕の直径を調べたそうです。それは約50ミリありました。阿部氏は「これは日本軍の47ミリ対戦車砲で撃ち抜かれたんだな」という感想をもったそうです。
 さすが超のつくミリタリーマニア、目の付け所が違います。一般には47ミリ対戦車砲では、よほど至近距離でない限りシャーマンの前面装甲を貫徹するのは不可能だといわれています。欧州戦線では厚くなった戦車の装甲に対抗するために、対戦車砲も75ミリ以上が当たり前になっていました。
 カタログデータばかり信用しても実際の戦場は違うんだなと思ったそうです。ニューギニアに代表される太平洋戦線では、陸戦はジャングル戦が大半です。47ミリ対戦車砲がM4を撃破するには200メートル以内の至近距離に近づかなければいけません。おそらく密林での伏撃で至近距離から撃ち抜いたと想像されます。
 実際、沖縄戦でも戦闘に参加したM4戦車の被害221両のうち、実に94両がこの47ミリ対戦車砲の戦果だそうです。75ミリ、90ミリの大口径砲のほうが威力が高いのは当然ですが、その分重量がかさむため、地盤の軟弱な密林地帯で動けないことは容易に想像がつきます。
 わが日本の兵隊さんは、ギリギリまで敵を引きつけてから必殺の砲撃をしたのでしょう。その苦労が忍ばれます。 

 とにかく、これほどのマニアックな人だからこそ、鬼のようなデータを持った、マニアをも唸らせるゲームをデザインできたのでしょう。書いているうちに「太平洋戦記2」がやりたくなりました。早速始めよ!