鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

エンテベ空港奇襲作戦

イメージ 1

 1976年6月27日、アテネ発パリ行きエールフランス139便がハイジャックされます。
 ハイジャック犯はパレスチナ解放人民戦線の8名とバーター・マインホフ(ドイツのテログループ)の2名からなるテロリストたち。

 行き先はパリから、リビアを経てウガンダエンテベ空港に変更されます。空港に着陸すると、ウガンダのアミン大統領がやってきますが、なんとウガンダ兵の銃口は、テロリストではなく乗客たちにむけられました。親アラブのアミン大統領は、演説してテロリストの擁護を表明します。

 256名の乗客のうち、イスラエル国民、ユダヤ人(イスラエル以外の国に住んでいる人)以外は解放されますが、残された人質は空港の旧ターミナルビルに移されました。
 テロリストたちは、イスラエル政府に対して、服役中の自分たちの仲間40名の釈放を要求します。受け入れなければ人質を殺害すると脅迫しました。

 イスラエルのラビン首相は、記者会見で記者から「軍事作戦はありうるのか」と質問され「まだわからない。」と答えます。
 しかし、このときすでに人質救出作戦「サンダーボルト作戦」は発動していました。
 指揮官はネタニヤフ大佐、元首相でリクード党首のネタニヤフの実兄です。さらに本人もこの作戦に参加していたといいます。

 問題は時間でした。アミン大統領と交流のある人物を集め、電話交渉で引き伸ばしをさせます。その間にエンテベ空港の写真と見取り図が集められました。幸運な事にエンテベ空港を建設したのはイスラエルの企業でした。旧ターミナルビルの実物大模型が作られ、連日突入訓練が行われます。

 テロリストに気付かれずに接近する方法が最大の難関でした。アミン大統領のリムジンと同じメルセデスベンツが用意され輸送機に積み込まれました。アミン大統領の視察に見せかけようという作戦です。ウガンダ兵に偽装するため、軍服も用意されました。準備は万端です。

 作戦は7月3日の夜から、4日の早朝にかけて行われました。4機のC130輸送機が情報収集のため派遣されます。イスラエル軍特殊部隊100名が、夜間隠密着陸しました。続いて、医療施設を装備したイスラエル空軍のジェット機が着陸します。

 アミン大統領専用車に偽装したベンツは、護衛の、偽ウガンダ兵の車両を従えて旧ターミナルビルに近づきます。入り口を守るウガンダ兵は敬礼して出迎えました。
 しかし、中からでてきたのはサイレンサー付銃を装備したイスラエル兵でした。守衛を直ちに片付け、建物内に突入しました。着陸から3分でテロリスト6名を射殺、他を拘束しました。同時に管制塔も制圧。ウガンダ軍と交戦しますが、奇襲にあわてた彼らを圧倒します。輸送機には装甲車も搭載していました。装甲車は、エンテベ空港にあったウガンダ空軍のミグ戦闘機を地上でことごとく破壊します。

 決着はあっという間につきました。ウガンダ兵は、あるいは投降し、あるいは逃亡しました。イスラエル軍は人質全員を収容し、エンテベ空港を飛び立ちます。105名の人質のうち3名死亡、指揮官のネタニヤフ大佐も狙撃され、のちに死亡しました。ウガンダ兵は45名死亡。
 帰国したイスラエル兵たちは、祖国から英雄として迎えられました。この作戦で見せたイスラエルの覚悟、凄みはテロリストたちを震え上がらせました。以後イスラエル機をねらったハイジャックは一度も起こっていません。

 1970年におこった「よど号事件」と比べてみてください。日本政府の対応がいかにお粗末だったか分かるでしょう。盗人に追い銭までしたんですから。もちろん強硬姿勢は大きな犠牲を生んだ事もあります。しかし、テロには絶対屈しないという覚悟を示せばハイジャック事件はおこりません。無駄ですから。日本はペルー人質事件でも弱腰でしたよね。当時の池田外相、強面ながらなんと腰抜けだったか!しかたなくペルーにいったものの、ろくに交渉もせずに逃げ帰る始末。強硬姿勢ができないなら「自分が人質になるから、人質を全員解放しろ」と言えなかったんですかね。当時の日本の総理は誰でしたっけ?あまりの無能ぶりに忘れました。
 イスラエルは小国です。負けたら国が無くなりますから覚悟が違います。強引すぎる行動も確かにありますが、厳しい環境にあるので仕方ない面もあります。戦後平和ボケでぬくぬく過ごしてきた日本だからこそ、「非武装中立論」なる戯言もでてくるというものです。

 「平和主義たしかに結構、しかし他の国に移住して主張してくれ!」今の日本は、テロ支援国家でテロ実践国家である、あの国と対峙しているんですよ。完全に舐められています。日本がイスラエルのような断固たる態度をとっていれば、現在のような地位にはいないと思います。イスラエルほど極端な態度をとれとは言いませんが、今のままでは甘すぎます。日本政府、外務省、もうちょっとまともになってください!