化学兵器使用は確かに絶対に許されないものであり、もしアサド政権が使用したとすれば厳しい制裁を受けるのも仕方ないと思います。
ただ、私は昨今のアラブの春の行く末を見るにつれ本当に反政府側が正しいのか疑問を持っています。結局エジプト革命後に政権を担ったムスリム同胞団は多くの識者が指摘した通りまったく政権担当能力を欠き軍の介入を招いたことは記憶に新しいと思います。
民主主義は確かに理想ですが、民族性地域性によって大きく変わってくると考えます。とくに中東地域の場合はある程度の独裁もやむを得ないのではないでしょうか。エジプトがアラブの春まで比較的安定していたのはサダト、ムバラクという独裁政権がイスラム教原理主義を力で抑えていたという面も否定できません。
サウジアラビアだって、もし王政が崩壊すれば収拾がつかないようになります。その意味ではアサド政権は独裁で強圧的ではあってもシリア安定のために必要悪だと個人的には考えます。中東地域の場合、民主化がイスラム教原理主義と非常に近しい関係にあるのが気になります。イランなどはその典型ですからね。