頻発する反政府デモ、とめどない政権崩壊ドミノ。インターネットの力をまざまざと見せつけられた緊迫する中東情勢ですが、ついに
リビアにも飛び火しました。
それにしても
カダフィは恐ろしい男ですね。自国民に向けて
空爆するとは…(絶句)。
空爆じゃなくて機銃掃射だともいいますが、一説によれば
空爆に参加したという
リビア空軍のミラージュⅢは30㎜
リボルバーカノン装備ですから、これが本当に参加していたら確かに恐ろしい凄惨な現場になっていたでしょう。
カダフィの次男も徹底的に戦うと声明を出したそうですから、もしかしたら政権はかなり危うくなっているのかもしれません。
リビア軍は有名な割に情報が少なくて私も詳しくは知らないんですが、政府軍の一部は反政府側についたとされますね。一方政府は
カダフィにあくまでも忠実な傭兵部隊を使って民衆を弾圧しているとか。恐ろしいです。
反政府側の
ベンガジ占拠は、事実とすれば大変衝撃的です。リアルな第2次大戦ものの
シミュレーションゲームをやったことがある方ならご存知だと思いますが、
リビアは砂漠の国。人口は地中海沿岸部に集中しています。とくに
ベンガジはトブルクとともに
キレナイカの要衝で、石油資源のほとんどもこの地方で産出するそうです。
とすれば反政府側の
ベンガジ制圧は大きな意味を持ちます。内戦になっても石油資源を握ることができればかなり抗戦できるし、戦略的にも有利でしょう。ただ惜しむらくは指導者がいない、あるいは見えてこない事。
エジプトの
ムバラクや軍のように一定の良識を示せば、ほぼ無血で政権移譲ができるでしょうが、
カダフィや一族の言動を見ているとそれは望めそうもありません。なにしろ地上から銃撃したり戦車で轢き殺す(それもかなり酷いけど)くらいならまだしもいきなり
空爆ですからね!
リビア政府がそれだけ追い詰められている証拠です。
おそらくこの動きは
支那大陸にも飛び火するでしょう。ついに
パンドラの箱は開かれたのかもしれません。世界はたいへんな事態に陥りますよ。石油資源のほとんどを中東地域に頼っている日本は、中東情勢を真剣に注視しなければなりませんし、中国の動向にも目が離せなくなりました。