
潜水空母伊四〇〇に3機分解したまま搭載され、パナマ運河を攻撃するために開発された水上攻撃機。潜水艦に搭載可能なサイズにするためできるだけコンパクトにまとめられフロート装備で477km/h、緊急時にはフロートーを切り離すことで560km/hと零戦並みの速力を持っています。
水平爆撃、急降下爆撃をこなすなかなかの優秀機で、800kg魚雷か、250kg爆弾×4搭載できました。
エンジンは、ダイムラーベンツDB601Aのライセンス生産、アツタ21型の出力向上型アツタ32型(離昇出力1400hp)で、同じDB601Aのライセンス生産ハ40およびハ140よりははるかに稼働率が高かったそうです。
生産状況も、絶望的なハ140とは違いコンスタントに生産されていたそうですから陸海軍共同でこっちを使っていた方が飛燕ももっと活躍できたかもしれません。もっともそんな大英断を下せる人間がいなかったからこそ負けたんですが…。
が、これも結果論で大戦末期には熟練工も熟練整備士もいない状況で品質がかなり劣化していたはずですから、どっちみちまともな稼働率は期待できなかったでしょう。
戦局の悪化によりパナマ運河攻撃は見送られ、終戦間際にウルシー環礁(南西太平洋。トラック島とパラオの中間あたり。米海軍の一大根拠地があった)攻撃に向かったそうですが、日本の降伏で中止になりました。どうせ負けるんなら早めに出撃して魚雷の2~3発でもお見舞いしとけばちょっとは溜飲が下がったんですが。
いやあ、惜しかった!!!
全長 | 10.64m | 全高 | 4.58m |
全幅 | 12.26m | 翼面積 | 27.00m2 |
自重 | 3,326kg | 最大重量 | 4,250kg |
最高速度 | 474km/h(高度5,200m) | 上昇限度 | 9,000m |
航続距離 | 1,200~2,000km | プロペラ | ハミルトン定速3翅 |
発動機 | 愛知「熱田」三二型液冷倒立V型12気筒 公称1,340馬力×1基 | ||
乗員数 | 2名 | 総生産機数 | 28機(「南山」1機を含む) |
武装 | 7.7ミリ機銃×1、航空魚雷×1または800キロ爆弾×1等 |