たまたま、南米のガイアナが原油産出量を増やしておりロシアの石油に頼る必要がなくなるというYOUTUBE動画を見て、本当なのか興味を覚えて調べてみました。
ガイアナの1日原油産出量は66万バレル。これを2030年までに179万バレルまで増やす計画だそうです。では日本の1日当たりの石油消費量はというと、約77万キロリットルと言われます。単位が違うのでこれをバレルに直すと484.3万バレル。日本一国の消費量も賄えません。
世界の主要産油国の1日当たりの石油生産量を調べると、1位は意外にもアメリカで1320万バレル。2位がサウジアラビアで1100万バレル。3位がロシアで1000万バレル。桁があまりにも違いすぎます。という事でYOUTUBEの動画は全くのデマでした。産油国で思い浮かぶイランは320万バレル。大東亜戦争の印象で凄い産油国の印象があるインドネシアはわずか60万バレルでした。
イランよりお隣のイラクの方が産出量が多く440万バレル。意外なところだと南米のブラジルは1日当たり430万バレルなので、ガイアナよりはるかに多く産出します。ガイアナの隣国ベネズエラでさえ経済制裁前は100万バレルを達成していたそうですから、これと比べるとガイアナの石油は大したことありません。
ネットの情報を鵜呑みにすることがいかに危険か、この件でも分かりました。現在移民問題で話題に上がったアフリカのナイジェリアも1日当たりの原油産出量が154万バレルあるそうですから、これを使って経済発展できなかったのですかね?移民で出すより国内の労働力として石油産業を発展させなさいよと思いました。大きなお世話でしょうけど。
YOUTUBE情報は役に立つものもありますが、ガセネタも多い印象です。決して鵜呑みにせずまず自分で調べてみるという習慣をつけるのがネットリテラシーを強化する方法なんでしょうね。皆さんはネットの情報に騙された経験はありますか?
追伸:
ちなみになんですが、資源がないと言われている日本も新潟県などで石油は少量ながら採れます。年間51万キロリットル。これをバレルに直すと320万7803バレル。365で割ると1日当たり8788バレル。う~ん少なすぎますね。
というか年産50万キロリットルあったら大東亜戦争時代ならもっと戦えたんじゃないか?と思いました。開戦時の石油備蓄量が840万キロリットルで約2年分。足りない分は松根油で何とか。あとは石炭を液化させて。いろいろ考えましたが無理ゲーでした。満洲の大慶油田を戦前に発見していれば!後の祭りなんですけどね。当時は国内で50万キロリットルも採れなかったとは思います。
追伸2:
第2次大戦中、ドイツは人造石油を年間350万トン生産していました。これはドイツの石油需要の46%です。日本も戦時中石炭液化燃料の研究をしていたそうですが、さすがに350万トンは生産できませんでした。技術大国ドイツとの差ですわな。過去記事でも書いてますが、日本の人造石油生産量は年間20万トン。日本としては頑張った方ですが、これが限界だったのでしょう。