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ドイツ山岳猟兵師団のエルブルス山登頂

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 先日書いた『ブラウ作戦時ドイツ南方軍集団戦闘序列』の記事に重大な間違いを発見しました。第1装甲軍の軍直轄部隊に第1山岳猟兵師団が抜けていました。図表を直すのはちょっと難しいのでこの場で訂正させていただきます。いやあ、NATO記号だけで表を作るとこのようなミスが出てきますね。元サイトが海外(多分アメリカ)なので見落としたんですよ(←言い訳 汗)。

 そのお詫びに面白いエピソードを一つ。山岳猟兵師団というのは山岳地帯での戦闘を主任務とする軽歩兵師団です。他国の山岳師団と同じ。通常師団の野砲の代わりに山岳での運用がしやすい山砲を装備し兵士は雪山でのスキー移動ができるなど山岳戦のエキスパートです。彼らの意識は兵士というよりアルピニスト(登山家)で目の前に山があったら登りたいという衝動に駆られるそうです。

 エチオピアで捕虜となったイタリア兵が、ケニアにあった英軍の捕虜収容所から見えるキリマンジャロに憧れて秘かに脱出、キリマンジャロ登山を実現してまた収容所に自首してきたという有名なエピソードがありますよね。ドイツの山岳猟兵も同じ意識らしく、ブラウ作戦コーカサス山脈に入った彼らは、どうしても最高峰のエルブルス山(標高5642m)に登りたくなり、登山チームを結成して1942年登頂に成功したそうです。間の悪いことにソ連軍の山岳部隊も登頂してきて山頂で戦闘になったとか。

 唯物主義で遊び心などもってのほかのソ連軍の場合はドイツ軍の進撃路を探るための偵察だったのでしょうが、ドイツ軍はどうしても趣味の登山のような気がしてなりません。それを実行したのが第1山岳猟兵師団でした。彼らは戦争で負けはしたものの念願のエルブルス山登頂を成功させて満足だったのでしょう。

 ところが、これがヒトラー総統の耳に入ります。当然総統は激怒。これがA軍集団司令官リスト元帥解任の一因になったとか。エルブルス山登頂はおそらく軍集団司令部も黙認していたらしく、戦争の中でも余裕を感じさせる微笑ましいエピソードなんですが、厳しい戦局で神経を削られていたヒトラーから見たら「ふざけるな!」という心境だったんでしょうね。