鳳山雑記帳はてなブログ

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ヴィンランド

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 11世紀のヴァイキングの生き様を描いた幸村誠の漫画『ヴィンランド・サガ』。その題名にも使われた北米大陸にあったとされる伝説の地がヴィンランドです。

 名前の由来の「ヴィン」は「ブドウ」あるいは「草原」という意味だそうです。ノルマン人やヴァイキングたちはコロンブスアメリカ大陸を発見するはるか以前にすでに新大陸に到達していたそうです。北米各地でルーン文字が記された遺物が発見されています。

 ノルマン人とは北欧スカンジナビア半島を中心にバルト海沿岸に住んだ北方系ゲルマン人で、そのうち武装船団を組み海賊行為を働いた者たちをヴァイキングと呼びました。ただ年から年中海賊をしていたわけではなく、平時は交易で生活していたそうです。スカンジナビア半島は寒冷で当時の技術では満足な農耕ができず大人口を養えないため、生活のために海に出ていたのです。

 ヴィンランドは彼らが海賊あるいは交易の過程で発見した土地で、現在ではニューファンドランド島説が有力です。ただ名前の由来からするともっと南の可能性もありアメリ東海岸のどこかではないかと私は考えます。古地図をみると位置的にニューファンドランド説もあり得ますが…。

 北米大陸東岸にノルマン人が10世紀前後到達していたことは確実だと思います。『赤毛のエイクリールサガ』では、アイスランドの優秀な船乗りソルフィン・カルルセフ二が仲間40人とともにまずグリーンランドに入植しその後対岸に陸地を発見し移り住む話が語られます。

 その地はブドウが豊に実る楽園で、ソルフィンはヴィンランドと名付けました。ところが原住民との争いが勃発し入植失敗、ヴィンランドは10年ほどで放棄されます。


 面白いことに、幸村誠の『ヴィンランド・サガ』の主人公の名前がトルフィン・カルルセブニ。明らかにエイクリールサガを下敷きにしてますね。最近読んでないんですが、どうなったのか気になります。世界史好きにはデンマークのクヌート大王、デーン・ロウ(デーン人に支配されたイングランド東部地域)などが出てきてお勧めです。