シリア航空機20機を破壊=ミサイル失敗1発だけ―米軍
4月6日に行われたアメリカ軍によるシリア空軍基地への巡航ミサイル、タクティカル・トマホーク59発の攻撃。シリアを支援するロシア軍の発表では59発の内たった23発しか命中していないと言っていましたが、トマホークのCEP(半数必中界)は10m以下なのでそれはあり得ないと思ってました。調べてみると、やはりロシアの負け惜しみでした。
CEPは何度も説明したかと思いますが、ある目標に向かって撃った時目標を中心とした同心円内に半数以上が着弾する確率で、CEPが小さいほど命中率が高いと言えます。空軍基地なら滑走路は1000m以上。通常は2~3kmありますから、基地の領域内にほとんどが着弾したはず。
シリア軍の損害は9名の死者と20機の航空機。たった一夜の攻撃で1個スコードロン(飛行隊)が壊滅したわけです。私が心配したのは、ロシアがシリアのアサド政権に肩入れして部隊も派遣しているので、ロシア軍にも被害があったのではないかという事。今のところ発表がないので何とも言えませんが、アメリカ軍そしてトランプ大統領はそこまで覚悟して攻撃したんでしょうね。ロシアと慣れ合う気はないという意思表示なのでしょう。日本の対ロ外交も見直す必要があります。
今回トランプがシリア空爆を決断した理由を色々考えたんですが、まず毒ガスサリンを使って一般市民を虐殺した事に対する報復。これは反政府勢力がわざと民間施設の近くに拠点を設けていた可能性も捨てきれませんが、毒ガス攻撃をした時点でアサド政権の言い訳は通用しません。これが通常爆弾による空爆なら何もなかったはず。
次に訪米し会談をしている支那の習近平に対する恫喝。トランプ政権は有言実行するぞという圧力だったのでしょう。習はシリア空爆の報告を受けた時どんな心境だったでしょうね?支那が対北朝鮮で圧力をかけないならアメリカ単独でやるというトランプのかねてからの発言が現実だったと習も思い知った事でしょう。南沙諸島問題でも同様の事態になると恐怖したでしょうか?
そして当然金正恩に対する直接の恫喝という意味もあったと思います。私はシリア軍の毒ガスはもしかしたら北朝鮮が売ったものではないかと疑っています。たしかシリア軍の毒ガス製造工場はイスラエル軍に空爆され表立っては製造できなくなっているはずですから。
テレビなどに出ている識者と称する者たちは、この攻撃が直接北朝鮮空爆に繋がるものではないと主張していますが、それはあまりにも楽観的すぎます。むしろ繋がらない方が違和感あります。当然トランプは金正恩斬首作戦も視野に入れているでしょう。
北朝鮮は核実験を行うと噂されていますが、もしやったらそれが引き金となるでしょうね。