鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

ホライゾン ゼロ・ドーン

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 はっきり言って神ゲーです。おそらく今年のゲームオブザイヤー(GOTY)はこれで決まりでしょう。

 舞台は我々の生きる機械文明の滅亡した1000年後の世界。機械の獣が徘徊する中、原始の生活に戻った人類。暴走する機械獣のために、人類は再び滅亡の危機に陥ります。

 何故人類文明は滅んだのか?主人公アーロイの出生の秘密。アーロイを監視し時には助ける謎の男サイレンスの正体とは?アーロイと酷似する女性エリザベト・ソベックは彼女の母なのか?闇の宗教を信じ機械と共に人類を滅ぼそうとする正体不明の敵。謎が謎を呼ぶ展開。あっと驚く驚愕の真相。アクションなどゲームシステムも良く練られていてストレスをほとんど感じません。

 ボリュームは寄り道しなければ本編だけで35時間ほど。ただそれではストーリーの半分も理解できないでしょうから、サブクエストもしっかりやって緻密に構築された素晴らしい世界観を理解しなければなりません。海外ゲームは結構主人公や人類そのものに冷たい展開やブラックジョークがちりばめられています。フォールアウトシリーズやグランドセフトオートシリーズが典型。それはそれで面白いんですが、このホライズンゼロドーンは違います。一言で言えばまっすぐ。日本人の感性に一番合うかも?

 特に物語序盤、孤児だったアーロイを育てた義父ロストが、主人公を守るために命を落とすシーンは号泣ものです。最愛の父ロストの仇を取ると云うのがユーザーのモチベーションになるはず。色々細かい不満はありますが、全体的にみると80点から90点はあげられる素晴らしい完成度。エンディングもまた良い。PS4ユーザーなら絶対に遊んでほしい作品です!














追伸:ここから先は完全ネタばれなので今後ゲームをする予定の人は絶対に読まないでください。読むのなら買った後にしてね♪

 結局、ゲーム内のログ、攻略サイトなどを読んで私なりの理解はこうです。一部勘違いの可能性はありますが大筋では正しいはず。


 そもそもの発端はロボットのハードとソフトを作る世界的企業ファロ。最初環境ロボット主力だったのですが、CEO(おそらくモデルはビル・ゲイツ)は利益最優先主義から軍事部門に力を入れ始めます。ファロはロボットが有機物を摂取しエネルギーに変換するという画期的技術で世界一の大企業に成長したのでした。

 若き天才女性科学者エリザベト・ソベックは20代にしてノーベル賞受賞するほどの世界的科学者でファロの主任研究員として入社しますが、軍事部門にのめり込むCEOのやり方に反発をおぼえ退社、自ら環境ロボットのメーカを立ち上げます。

 エリザベトが危惧していた通り、軍事に転用されたロボット群はプログラムの致命的なミスにより暴走。自己増殖を繰り返し、エネルギーを得るため人類に襲いかかりました。

 アメリカ政府と軍統合参謀本部は、この危機を脱するため超兵器ゼロ・ドーン開発を発表します。ゼロ・ドーンが完成するまで世界中の人類に戦い続けてほしいと訴えました。ところが、統合参謀本部議長が後に語るのですが、ゼロ・ドーンという兵器は存在しませんでした。

 人類の滅亡は、ロボットの暴走が始まってから16カ月。おそらく人類だけでなくすべての有機物がロボットに食いつくされ地球そのものが滅亡すると予測されます。ゼロ・ドーンとは滅亡した地球を再生させるためのテラフォーミング計画。死の世界になった地球を再生させ、あらゆる生物の種子を世界各地の地下シェルターにDNAデータ保存し、適時放出して再び緑の地球を取り戻そうと云うもの。

 すでに人類は滅亡していますから、生き残った人たちから取ったDNA情報を基に人工子宮で培養したクローンが1000年後の世界に生きる人間の正体だったのです。このプロジェクトを任されたのがエリザベト・ソベック。統合参謀本部の発表はエリザベトのチームがゼロ・ドーン計画の核となるマザーコンピュータ、ガイアの完成までの時間を稼ぐのが目的。

 結果的に全人類を欺いた統合参謀本部議長は罪の重さにおののきます。全人類の滅亡という巨大な犠牲を払いながらガイアは完成しました。ただ、人類再生のために世界の叡智、膨大な情報を蓄積したアポロと云うアーカイブは、自分の罪を隠蔽しようとするファロ社のCEOによって削除されます。だから、人類は原始の世界に戻ったのです。

 エリザベトはすべての仕事の完成を見届けた後、荒廃した地上に戻っていきます。それは死を意味しました。彼女は懐かしい我が家で死を迎えようと決意したのです。


 以上が1000年前までの話。

 次に物語の20年前。ガイアは、絶対に失敗の許されない地球再生計画のために万が一失敗に終わった場合に備え、削除プログラム『ハデス』を準備していました。ハデスによって一度リセットし再び再生を始めそれを成功するまで繰り返すというシステムだったのです。ですから、過去にはハデスが発動したことがあったかもしれません。

 ところが人為的悪意か機械的故障かは知りませんが、そのハデスそのものが暴走します。これが大災厄の正体。地球上で活動する機械の中には、ガイアの指令で環境を整えると云う本来の目的で動くロボットがありました。しかしハデスは、その環境ロボットさえコントロールし人類への攻撃を開始したのです。ハデスの目的は地球の破壊そのもの。本来の任務であった破壊の後の再生は完全に消え去っていました。

 この事を憂いたガイアは、自分の生みの親エリザベト・ソベックの遺伝子データを使って彼女のクローンを生みだします。エリザベトの遺伝子データがあれば、研究施設の中枢に入り込めハデスの暴走を食い止められるのです。勘の良い方なら分かると思いますが、これが主人公アーロイの正体。まさに彼女こそ人類の希望だったのです。原始的な教育しか受けていないのに聡明なのは、もとがエリザベトだから。


 数々の困難を乗り越え、ついにハデスの暴走を止めたアーロイ。すべての戦いを終えた後アーロイは旅に出ます。辿りついた一軒の廃屋。アーロイはその庭の椅子に腰かけながら果てていた死体を発見しました。死体はエリザベトでした。1000年の月日でも防護スーツのおかげで朽ち果てず残っていたのです。

 死体に懐かしそうに手を添えるアーロイ。母であり彼女自身でもあったエリザベトを思い涙するアーロイ、余韻を残したままエンディングテーマが流れます。私も感動で目頭が熱くなりました。


 本当に素晴らしいゲームなので、是非遊んでみてください。私は自信を持って勧める事ができます!