鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

今回の熊本大地震でロジスティクスの欠如を痛感しました

 ロジスティクスといえば、日本で一般的には経済活動における物流管理のことですが世界標準では兵站を指します。この場合はMilitary Logisticsと呼び『戦闘地帯から後方の、軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもの』(ウィキぺディアより)です。

 何でこんな事を書いたかというと、最初の地震から1週間が間もなく経とうというのに支援物資が拠点までは届いているのに末端の避難所に十分行きわたってない現状を憂いてです。報道によると支援物資を仕分けする人間が足らず、末端まで輸送する人員も不足しているそうです。これに対しマスコミ報道では一般のボランティアをもっと入れろなどという的外れな事を主張しています。

 問題は数ではなく指揮命令系統の欠如なのです。自治体自体が被災し全貌を把握できてないために人員の有効的配置ができていないのです。そんな中ド素人の一般人を入れれば混乱に拍車をかけるだけ。他国ではこのような大災害の場合軍が先頭になって指揮命令系統を構築、効率よく物資の輸送、ライフラインの復旧を図ります。政府は非常事態宣言を行い被災地域には戒厳令を発します。

 兵士が被災地域を巡回し、不審な人間は即射殺です。日本よりも治安が悪いからそうなるのですが、現在火事場泥棒被害が深刻化している熊本地域でも自衛隊員が定期的に銃を携帯してパトロールできればどれだけ有難いか!法律的に問題があるなら警察官と同行しても良い。

 物流に関しては、例えば北熊本の第8師団司令部か熊本空港に隣接する高遊原分屯地に兵站司令部を設け、各避難所には連絡員を配置。兵站司令部に一度物資をすべて集め、そこから連絡員のニーズで各避難所に輸送、その際の道路が傷んでいればすぐさま補修のため工兵部隊を派遣。空路は、マスコミのヘリが邪魔なので民間機の飛行を禁止し空からの救急搬送や物資輸送の邪魔をさせない。

 陸路からの物資輸送は、被災地域の外に物資集積所を設けこれも情報を集積している兵站司令部の命令で必要なところに必要な分を届ける。このように物流、治安、インフラ整備を一元的に管理すれば今回のような混乱は起こらなかったと思うのです。しかし、私の見るところ自衛隊が使われているのは土砂崩れ現場の遭難者捜索のみ。全くの宝の持ち腐れです。

 いくら軍事アレルギーがあっても、この場合は非常時なんですから寝言を言っている場合じゃないでしょう。これはすべての事に関して言えると私は思います。もし第3次世界大戦が起こって支那から核攻撃を受けた時、今のような態勢では出なくてもよい死者が増大しますよ。直接の被害は仕方ないが、兵站の不備によって犠牲者が増えたらそれは日本政府の責任です。東日本大震災の教訓で少しはましになっていたかと思っていたんですが、まだまだ不十分なようですね。根本的にはまともな緊急事態法すらないのが原因でしょう。

 国防も災害も同じ安全保障ですよ。危機管理は常に現在進行形であり日々改善していかなくてはならないはず。今回の地震後の惨状をみて私は強く憂います。