【北朝鮮】水爆の実験実施を発表 NHKニュース ★6
私は核兵器に関する知識がきわめて乏しく素人に近いですが、第一報を聞いたとき「また嘘だな」と直感しました。というのも水爆は原爆を起爆装置に使うからです。一般的にその原爆もプルトニウムを使った爆縮型とよばれる起爆方式でなければなりません。
ガンバレル型は『ウランを臨界量に達しない2つの物体に分けて筒の両端に入れておき、投下時に起爆装置を使って片方を移動させ、もう一つと合体させることで超臨界に達するもの』です。比較的容易で、広島に投下されたリトルボーイはこの方式。欠点は核分裂効率が悪く重くならざるを得ない事。
一方、爆縮型は『プルトニウムを球形に配置し、その外側に並べた火薬を同時に爆発させて位相の揃った衝撃波を与え、プルトニウムを一瞬で均等に圧縮し、高密度にすることで超臨界を達成させる方法』です。長崎に投下されたファットマンがこちら。この方式は、衝撃波の調整や爆縮レンズの設計が非常に難しく、高度な計算が必要なので製造難易度は高いです。ウランは爆縮型、ガンバレル型どちらにも使えますが、爆縮型では一般にプルトニウムが使われます。戦後米ソが製造した原爆はほとんど爆縮型だったと言われます。
ガンバレル型と爆縮型の概念図がウィキにあったので紹介します。

次の段階は『照射されたX線は核融合物質周辺のスチレン重合体などを瞬時にプラズマ化させ、高温高圧となって円筒部の中心に位置する3層の核融合部分を圧縮する。ウラン238が推進効果で核融合物質としての重水素化リチウムを中心へ圧縮すると同時に中心軸のプルトニウム239がガンマ線と中性子線の照射を受ける。プルトニウム239が核分裂反応を起こすことで中心部からも重水素化リチウムを圧縮する。』(ウィキぺディアより)
さらに次の段階で、超高温超高密度に圧縮された重水素化リチウムはやがてローソン条件を満たし、核融合反応を起こします。核は分裂より融合の方が大きなエネルギーを出しますから、原爆よりはるかに強力な爆発力が生じるのです。一応水爆の概念図(ウィキぺディアより)を載せておきます。

私も素人なので上手く説明できずウィキを頼ったくらいですから関心のない方はチンプンカンプンだったでしょう。私だって兵頭二十八さんの一連の著書を読んでなければ原爆と水爆の違いすら説明できなかったと思います。
ここまでがとても長い前置き。北朝鮮はガンバレル型の原爆は一応開発した(それすらも怪しいが…)と言われますが高度な技術が要る爆縮型は無理で作れないという情報があります。これも事実かどうかは確認が必要ですが、核の専門家によると北朝鮮が過去に核実験した時の実測データからの推測だそうです。そして今回の水爆実験。
念のために兵頭さんのブログを確認しましたが、やはり水爆は原爆と違って何度も実爆実験を繰り返さないと兵器として完成させることは不可能。そしてその実験は必ず探知されるので今回の水爆実験成功は真っ赤な嘘だとの事。そもそも一回も実爆実験をしてませんからね(苦笑)。
今回の水爆実験で起こった地震のマグニチュードは5程度。TNT換算で480t。人類最初の核実験、アメリカ、ニューメキシコ州で行われたトリニティ実験でさえ19kt。広島型原爆がTNT換算で15kt。ちなみにマグニチュード6が丁度TNT換算で15ktに当たるそうです。戦術核ですらTNT換算1kt(1000t)。
欧米の専門家が強化型原爆ではないかと推測してる事自体も兵頭さんは否定しています。ちなみにこの前発表した潜水艦発射弾道ミサイルの実験も嘘だそうです。私も同感です。北朝鮮は、一応ガンバレル型の原爆は持っているが弾道ミサイルに搭載するための小型化はまだできていない。今回の北朝鮮の発表も単なる
ブラフ(脅し)にすぎないと見るのが妥当です。
ただし、そういうならず者国家が隣に存在するという厳然たる事実は日本国民も認識すべきです。いつまでも平和ボケで生き残れるはずありません。そろそろ日本人も世界の厳しい現実に目覚める時ではないでしょうか?綺麗事が通用するのは小中学校までですよ(呆)。
海外ニュースで今回の北朝鮮核実験の威力が6ktから7ktとされますが、どうやって算定したんだろうか?マグニチュード6で15kt。この数字が正しいなら地震の規模はマグニチュード5.7(TNT換算で5.35kt)とマグニチュード5.8(TNT換算で7.56kt)の間にならないとおかしいのだが…。