余程時事に疎い人でない限り、1996年12月17日に起こったペルー日本大使公邸を舞台にしたテロリストによる人質立てこもり事件を覚えていらっしゃると思います。在ペルー大使の青木氏をはじめ在地邦人や招待された外国人600人が人質になるという恐ろしい事件でした。時あたかも天皇誕生日を祝うパーティが開かれておりテロリストたちはその隙を狙って襲撃します。彼らの正体は共産主義革命運動組織トゥパクアマル。
当時ペルーでは、日系人大統領アルベルト・フジモリがテロとの戦いを標榜しトゥパクアマルにも壊滅的打撃を与えていました。その報復として、フジモリ大統領が日系であるという理由もあり日本大使公邸がターゲットとなったのです。テロリストたちは収監されている仲間400名の釈放と身代金600万ドルを要求します。人質の中には現職の外務大臣もいたそうですから、フジモリ大統領は窮地に立たされます。しかし、彼は「テロリストとは一切の交渉をしない」と毅然たる態度で要求を拒否しました。
「人命は地球よりも重い」などとほざき、テロリストの要求を丸のみしたばかりか莫大な身代金まで払って北朝鮮にまんまと逃し、その後テルアビブで乱射事件まで起こされたどこかの馬鹿総理とは大違いです。そう言えばこいつの息子も売国総理でしたな（呆）。
日本では当時橋本龍太郎政権でした。一方の当事者であるはずのこの男もまた戦後日本の平和ボケにどっぷりとつかりペルー政府に「平和的解決を望む」などとぼけた要求をする始末。テロリストと話し合いなどとほざく者はテロリストの共犯者ですよ（呆）。当時私は怒りを通り越して心底呆れ果てた記憶があります。対テロ特殊部隊など平和ボケの日本に当時なかったとは思いますが、少なくとも現地に自衛隊と警察の幹部と一部部隊でも派遣しペルー当局と話し合って協力できるところは協力すべきでした。もちろん内政干渉になるので突入作戦はできなかったとは思いますが、協力できることは山ほどあったはず。しかし愚かな橋本政権がしたのは、歴代外務大臣の中でも際立って無能な池田をペルーにちょっと派遣してお茶を濁し、何をしたかも分からないくらいですぐ逃げ帰らせた事。私が橋本総理なら池田か外務副大臣でも現地に派遣し、事件が解決するまで陣頭指揮させますがね。そういう人材がいなかったと言えばそれまでですが。この日本政府の無責任で情けない態度はよど号事件の時と同様世界中から嘲笑されました。
この時、アメリカは対テロ特殊部隊デルタフォースの派遣をすぐさま申し出ました。詳細は分かりませんがおそらくアメリカの協力はかなりあったと思います。フジモリ大統領は不退転の決意を持ってテロと対峙しました。特殊部隊を召集し、日本大使公邸とまったく同じ構造の建物を準備して突入作戦を猛訓練します。トンネルを掘りその機会をじっと待ちました。年が明けた1997年4月22日（事件開始から127日後）その機会はやってきます。
長期間の占拠で士気が弛緩したテロリストは、昼の3時頃建物内でサッカーをするのが日課となっていました。その時間帯を狙って特殊部隊は複数のトンネルから床を爆破し突入します。30分足らずの銃撃戦の末テロリスト14名は全員射殺。突入した特殊部隊が2名、人質にも1名犠牲者が出ますが、その他の人質は無事救出に成功しました。フジモリ大統領はテロとの戦いに勝ったのです。
私は、最小限の犠牲者で済んだことも良かったですが大統領がテロリストに対し一切妥協しなかった事が大きかったと思います。もし日本で同様の事件が起こった時、日本政府はフジモリ大統領のような決断ができたでしょうか？そしてその時マスゴミはどのように報道したでしょうか？スパイ防止法すらない日本が、ペルーのような普通の国になるまでにはかなり遠いと私は考えています。本来ならペルー人質事件の時日本人は少しは変わると思っていましたし、変わるべきでした。ところが21世紀の今になってすら集団的自衛権とか安保法制でこんなに揉めている体たらく。
私は安倍総理ですら、フジモリ大統領のような決断はできないと思いますよ。2013年12月に一回参拝はしたもののその後靖国参拝一つできないチキンですからね。ましてやそれ以外の総理なら自国内の事件でさえ当時の橋本総理のように無責任な態度に終始するような気がします。国民が危機意識を持たないから政治がだらしないのです。世界は平和ボケ日本人のぼけた論理が通用するほど甘くはない。あまりに現実離れれしてるから特亜に舐められ続けるのです。本日のテレビ番組でも、単に「恐ろしい事件でしたね」で終わっていました。マスゴミの無責任さもここまで来ると病気ですよ。
