次は古代史がやりたいと思っていたため、シリーズ候補としてエジプトとメソポタミア、アナトリアを中心とする古代オリエント興亡史、古代支那の周王朝東遷から始まり秦の始皇帝による大陸統一までを描く春秋戦国史を想定しました。オリエント興亡史はいざ取りかかると系統的な知識(特に民族に関して)に乏しく新たに資料を集めなければならないと痛感したため、とりあえずは資料がある程度揃っている春秋戦国史を開始します。
実は、私が東洋史に興味を持つきっかけになったのは中学校時代の三国志でした。それから項羽と劉邦の興亡に興味が移り支那史全体に広がります。一方、西洋史に関しては最初がカエサルと共和政ローマでした。ということで春秋戦国史に関しては20年以上の歴史があるんですが、しばらく遠ざかっていたため忘れている部分もかなりあると思います。
ちなみに春秋というのは儒教の聖典である五経のひとつ(ほかに礼記、易経、詩経、書経)で、孔子が編纂した魯国の歴史です。魯というのは周代の侯国の一つで現在の山東省西部にありました。春秋は魯国中心ですが当時の支那大陸全体の歴史を記しておりこの時代も春秋時代と呼びます。ただし春秋は編年体で記されておりいささか読みにくいので古来注釈書が書かれました。春秋左氏伝というのは、左丘明が記した注釈書の一つです。他に公羊伝、穀梁伝がありますが、左伝が一番分かりやすいと思うのでこれを基本資料にしました。
というか、日本では左伝以外の訳本を私は見た記憶がありません。一般にはあまり流通していないのかも?ともかくしばらく支那の歴史から遠ざかっているので忘れている事や勘違いがあるかもしれません。支那古代史に詳しい方、もし間違いがあったら内緒コメントで知らせてくださいね。できる限り修正に応じます。