鳳山雑記帳はてなブログ

立花鳳山と申します。ヤフーブログが終了しましたので、こちらで開設しました。宜しくお願いします。

新シリーズ『春秋戦国史』をはじめるにあたって

 前シリーズ『日本の戦争』『ドイツの戦争』で第2次世界大戦は何だったのかという命題に自分なりの回答を出せたと思っています。ふたつ合わせて全30話という大長編になってしまい精根尽き果てたため歴史シリーズは当分やらないつもりでした。

 次は古代史がやりたいと思っていたため、シリーズ候補としてエジプトとメソポタミアアナトリアを中心とする古代オリエント興亡史、古代支那周王朝東遷から始まり秦の始皇帝による大陸統一までを描く春秋戦国史を想定しました。オリエント興亡史はいざ取りかかると系統的な知識(特に民族に関して)に乏しく新たに資料を集めなければならないと痛感したため、とりあえずは資料がある程度揃っている春秋戦国史を開始します。

 実は、私が東洋史に興味を持つきっかけになったのは中学校時代の三国志でした。それから項羽と劉邦の興亡に興味が移り支那史全体に広がります。一方、西洋史に関しては最初がカエサル共和政ローマでした。ということで春秋戦国史に関しては20年以上の歴史があるんですが、しばらく遠ざかっていたため忘れている部分もかなりあると思います。

 参考資料としては、考古学的観点では中央公論社から出ている「世界の歴史②中華文明の誕生」(尾方勇、平勢隆郎著)を基本とし、通史として平凡社中国の古典シリーズ「史記」「春秋左氏伝」を参照します。

 ちなみに春秋というのは儒教聖典である五経のひとつ(ほかに礼記易経詩経書経)で、孔子が編纂した魯国の歴史です。魯というのは周代の侯国の一つで現在の山東省西部にありました。春秋は魯国中心ですが当時の支那大陸全体の歴史を記しておりこの時代も春秋時代と呼びます。ただし春秋は編年体で記されておりいささか読みにくいので古来注釈書が書かれました。春秋左氏伝というのは、左丘明が記した注釈書の一つです。他に公羊伝、穀梁伝がありますが、左伝が一番分かりやすいと思うのでこれを基本資料にしました。

 というか、日本では左伝以外の訳本を私は見た記憶がありません。一般にはあまり流通していないのかも?ともかくしばらく支那の歴史から遠ざかっているので忘れている事や勘違いがあるかもしれません。支那古代史に詳しい方、もし間違いがあったら内緒コメントで知らせてくださいね。できる限り修正に応じます。

 という事で、最初は周王朝東遷から書きます。次に少しでも時代背景を理解してもらうために春秋時代の列国の簡単な紹介。春秋五覇と続きます。そして呉越の興亡で春秋時代は終わり、晋の分裂から始まる戦国時代へと突入する予定です。最後は秦の始皇帝による統一で完結します。長くなると思いますが、よろしくお付き合いください。