鳳山雑記帳はてなブログ

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キ102 五式複座戦闘/四式襲撃機(仮称)

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 陸軍飛行戦隊装備機の記事を書いていて気付いたんですが、試作機で量産されていないと思っていたキ102を装備していた部隊がいた事に驚きました。
 
 記事の段階で装備が分かっていたのは飛行第3戦隊だけでしたが、あれから調べたところ第45戦隊、75戦隊もキ102を装備していたようです。
 
 四式と五式で正式名称がはっきりしないくらいですからほとんど生産されていない印象でしたが、何と240機以上も生産していたんですね。
 
 
 ちなみにキ102は二式複座戦闘機屠龍の性能向上型として試作されたキ96をベースに川崎航空機が開発した重戦闘機・襲撃機です。正式名称が確定していないのに実戦投入されたのは、それだけ日本が切羽詰まっていたという事でしょう。
 
 キ102は、甲乙丙の3タイプがあり、それぞれ高高度戦闘機型、襲撃機型、夜間戦闘機型でした。一番生産されたのは襲撃機型の乙型で215機です。
 
 乙型は、排気タービン標準装備するはずが不調が重なりとりあえず57㎜機関砲(機首)と20㎜機関砲2門、12.7㎜旋回機銃1門装備の重戦闘機として完成しました。こちらの採用が早かったため四式襲撃機という仮称が与えられます。
 
 一方、本命で排気タービン装備の高高度戦闘機甲型は航空審査部で審査中にB-29迎撃に参加し成果を上げたことから大いに期待されましたが生産数わずか25機。それも排気タービンの不調から実際に納入されたのは15機にすぎませんでした。
 
 キ102を装備した3、45、75戦隊はすべて軽爆戦隊ですから生産数の上からも乙型装備だったと思います。甲型は15機では1個戦隊の定数も見たしませんから(2個中隊にもならない数)組織的戦闘を行ったのかどうかも疑問です。
 
 なお夜間戦闘機丙型は、電探(レーダー)装備でこれも非常に期待されましたが、2機試作した段階で工場を爆撃され開発が頓挫、結局戦争に間に合いませんでした。
 
 
 
【性能諸元 キ102甲型
 
乗員: 2名
全備重量:7.15t
発動機: 空冷複列星型14気筒ハ112‐Ⅱル(離昇出力1400馬力)×2
最高速度:610km/h(高度10000m)
実用上昇限度:12000m
航続距離:2000km
武装:37㎜機関砲×1門(機首)
    20㎜機関砲×2門
    12.7㎜機関銃×1門(旋回)
    50kg爆弾×4または800kg爆弾×1またはタ弾×4