巡航戦車とは第2次世界大戦におけるイギリス戦車の分類で、装甲を犠牲にする代わりに機動力を最優先させた戦車です。一方、歩兵直協を目的とするものに歩兵戦車があります。これは逆に機動力を犠牲にし防御力を強化してあります。
イギリスは第1次世界大戦の戦訓から巡航戦車・歩兵戦車の二本立てで整備しましたが、後から見るととても成功したとは言えません。素人考えでも分かると思いますが、極端なものは成功しがたいものなのです。
他国にこの様な分類が無いのがその証拠です。兵器というのはバランスが大事です。実際イギリスの巡航戦車で成功した物はほとんどありません。というより大戦末期に巡航戦車と歩兵戦車を統合した傑作戦車センチュリオンが登場するまでまともな戦車は無かったと言ってもよいでしょう。
巡航戦車では、唯一まともな性能のMk.Ⅵクルセイダーが特にアフリカ戦線でドイツの猛攻を凌ぎきりました。といっても最高速度40km/h、前面装甲50㎜、6ポンド(57㎜)砲装備。これを見ると大した性能ではありませんが、そのほかの巡航戦車が箸にも棒にもかからない性能でしたから比較的ましな戦車として戦場でも唯一期待されました。
写真を見て頂くと分かる通り、変態的な砲塔のデザインをしています。側面の避弾経始を重視したのかもしれませんが肝心の砲塔前面がぶった切ったように垂直になっているためあまり役に立ったとは思えません(苦笑)。
私はこういう武骨な戦車が大好きなんです。リベット接合いいよね~♪アフリカ戦線ならⅢ号戦車やF型以前のⅣ号戦車なら良い勝負でしょ?(笑)
ただ長砲身(50㎜/L42)のⅢ号戦車とクルセイダーを相手を撃破できる距離で比べるとクルセイダーが457m、一方Ⅲ号戦車は914mでクルセイダーを撃破できたそうです(号泣)。
クルセイダーの終わりは哀れでしたが、チハたんと違い一応勝ち組に属したので最後まで(曲がりなりにも)活躍できた事は幸せだったかもしれません。